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2017-05

八方池(はっぽういけ・2060m) - 2015.06.18 Thu

付録のようなシラネアオイをゲット!
 6月12日に姫君が病院の診察を受ける予約が入っていた。だが、これが長引き、病院を出たのが14時の少し前であった。
 遅い昼食を済ませて家に帰るとテレビでは天気予報が放映されていた。それによると、今日と明日が梅雨の中休みとのことで、以後、雨ないし曇りという、この時期特有の愚図ついた天気が続くとのことだった。
 これを聞いていると、梅雨の晴れ間に行きたいと思っていた八方尾根のことが頭に浮かんできた。
 姫君に体調を尋ねると、「行ってみたい」とのことだった。『それならば……』と、急いで支度をして車を出したのが、16時20分であった。
 本日中に白馬村まで行く必要はなく、何処か適当な道の駅で泊まればよいのだが、この時間では如何にも遅すぎる。このため、中津川ICまで中央自動車道を使い、時間の有効利用に努めることにした。
高速道路の利用は霊験あらたかで、7時30分頃には松本市の南の外れにある『道の駅・今井恵みの里』に到着した。なお、この道の駅を知ったのは昨年であった。これを知ってからは、松本市以北へ行くときにはここ経由で行けば、塩尻・松本間の国道19号の大渋滞を避けられるので重宝している。
 6月13日、5時過ぎに道の駅を出発して、白馬村の八方ゴンドラ乗場へ向かう。
 通称オリンピック道路を走ると信号が少なくて走り易いため、これを走りたいが、カーナビはJR大糸線と並行している国道147号を走らせようとする。これに逆らい強引にオリンピック道路へ入るが、信号の度にしつこく国道へ誘導しようとする。とある信号で、国道とは反対の右のほうに方向を変えよと指示してくる。『あれっ、ここで右折するのだったかな』と、不思議に思ったが何時もの癖で従ってしまう。すると、梓川の左岸側を北上する県道51号を走らせようとする。私のカーナビは、どうしてオリンピック道路を嫌うのだろうと文句を言いつつ、池田町役場辺りで元の道に戻ろうと左折した。だが、上手くいかないときは最後まで祟る。走るべきオリンピック道路を通り越して国道まで走ってしまった。仕方がないので、そのまま白馬村まで国道147号を走ることになった。
 こんな失敗はあったが、7時前にゴンドラ乗場の少し手前にある『道の駅・白馬』に到着。
 ゴンドラの始発は8時。これまでにはタップリと時間の余裕があるので、ここでユックリと朝食を摂る。食べ終えた頃、珍客が現れた。話し好きの地元の人であった。村長選に出て落選した話、これまでの自動車保有歴ならびに現在の車が米車のリンカーンであることなどなど、話は尽きることがなかった。適当に相槌を打っていると8時を過ぎてしまい、丁寧にお引き取り願い、ゴンドラの八方駅へと車を走らせる。
 何時もなら、少し離れた無料駐車場へ車を預けるのだが、本日は体調が万全とはいえない姫君を伴っているだけに、彼女の負担を少なくする意味で八方駅駐車場まで乗り入れる。
 本日のコースを簡単に説明しておく。
 ゴンドラの発着する標高770mの八方駅からゴンドラで標高1400mの兎平まで行き、ここから4人乗りのリフト2つを乗り継いで、八池山荘まで行く。ちなみに、この山荘は、八方尾根の標高1830mの所に建っている。
 八方池山荘からは登山道となる。この登山道を標高2060mの所にある八方池までの1.5kmを歩くという計画だ。ということは、標高差230m、水平距離は1500mで、その平均斜度は29%弱となる。これは、まず平均的な登山道だといえる。
 ここのゴンドラやリフトは冬場のスキー客用に建造されたものだが、夏場に休ませておくこともないということで、この時期には登山客相手に営業している。これは、営業しても赤字が出ないだけの登山客があるということで、ここが如何に人気の登山ルートであるかの証明にもなっている。
 最初は八方ゴンドラリフトの『アダム』である。これは、6人乗りの小さなゴンドラが架線に幾つもがぶら下がって標高1400mの兎平へ向かって移動している。この間、所要時間は8分である。
 次がアルペンクワッドリフトと名付けられた4人掛けのリフト。これが、標高1680mの黒菱平まで運んでくれ、所要時間は7分。これに最初に乗ったときはゴンドラとは異なって無蓋であるので、怖くて仕方がなく、目をつぶっていたが、今、振り返ると、『これが、何故、怖かったのか』と不思議に思えるくらいだ。
 このリフトの乗場で、現在、八方尾根で咲いている花を『八方尾根花散策』と銘打ったA4版1ページのパンフレットを販売していた。これを購入して、ザッと目を通すとシラネアオイが咲いていること。この花は珍しいので、係員に「何処に咲いている?」と尋ねると、「リフトの鉄塔の3つ目か、4つ目辺りの左手だ」とのことだった。リフトの左端に座ってカメラを構えて目を凝らしていたら、いわれた場所に確かにシラネアオイの大きな株があった。遅いリフトの動きならば撮影も可能だと考えていたが、これが間違っていたことが判明した。遅いといっても、写真撮影には早過ぎるスピードで、結局、1枚も撮らぬうちに無情にもリフトは通過してしまっていた。
 最後のリフトは同じく4人乗りで、グラ―トクワッドリフトと名付けられていた。これは短く、所要時間は5分であった。
 こうしてゴンドラおよびリフトを乗り継いで八方池山荘に到着。
シラネアオイ
 9時05分、ここを後にして八方池へ向かい、歩き始める。
 何歩も歩かないうち、山荘建物の横手で早くもカメラを地面に向けた人がいた。何を撮っているかを尋ねると、「ノビネチドリ」だという。このところ、ハクサンチドリは、毎年、嫌というほどに見ているが、ノビネチドリのほうはあまりみる機会がないので、大喜びで撮影に参加した。
 そして、尾根に乗って最初に見付けた花がイブキジャコウソウだった。これは、まだ咲き始めたばかり、いわゆるハシリだったようで、小さな1株だけ、この日に見付かったのはこれだけであった。
 次の花は、姫君が見付けた。「これ、何?」と、訊いてくる。診ると、ウスユキソウの種類だということは分かったが、花の綿毛が短い、というより白い色が付いているだけのものである。帰ってから調べてみると、ミネウスユキソウの仲間ながら、ここのものはハッポウウスユキソウというので、ここの固有種らしいことが判明した。
 このように次から次へと花が現れるので、歩みは遅々として進まず、標高1974mの八方山ケルン(石神井=しゃくじい=ケルン)に到着したときに10時09分、八方池山荘から1時間以上がかかった勘定だ。ちなみに、山荘から八方池までのコースタイムは1時間であるので、如何に道草を喰ったかが分かろうというものだ。
 八方山ケルンを過ぎてからも新種の花が出てくるのは変わらなかった。ハルリンドウに始まり、ミヤマアズマギク、チングルマなどなどである。これらの花もそれぞれ味わいがあるが、一番に見てみたい花があった。それはユキワリソウだ。リフトの下にいっぱい咲いていたが、リフトの上からでは写真は撮れないため、尾根に乗ってからに期待していた。これまで幾つもが咲いていたが、何れも単体で固まって咲くものではなく、アテが外れたことに落胆気味であった。でも、トイレの近くに、これが固まって咲いている場所があり、やっと念願がかなったと喜んだ。
 ここでも花の撮影に多くの時間を費やしたため、トイレの少し先、標高2005mにある第2ケルン(息ケルン)に着いたのが11時07分。八方山ケルンから、ここ第2ケルンまで、1時間弱も要した。なお、『息』ケルンは、『やすむ』ケルンと読ませるらしい。これは、昔、遭難した人の慰霊碑として建てられ、安らかに眠って欲しいという意味だとの由。
 ここを過ぎても、花は間断なく続く。これだけ花に恵まれた登山道はなかなか他にないので『どうしてだろう』と不思議であった。この謎を解くカギは、ゴンドラ乗場でもらったパンフレットの中にあった。この尾根の下のほう、すなわちゴンドラ乗場から八方池の先、丸山ケルンの手前までは蛇紋岩の地層だということだ。蛇紋岩地層ではどういう訳かは分からないが、花に恵まれているのはよく知られたことだ。このことは、北海道のアポイ岳や同じく夕張岳でも私自身が身をもって体験したことである。
 11時24分、八方ケルンを通過した。
 このケルンは、この尾根に立つケルンの中でも最も大きく、高さ5mくらいはあるように思う。このケルンには、目や口をユーモラスに描きこまれていて目立つこともあって訪れる度に記念撮影をしている。写真を撮っていて気付いた。何だか少し傾いているようだ。姫君に印象を求めると、同意を示すとともに原因も発見した。このケルンは、石と石の間をコンクリートで繋いでいたが、これにヒビが入っていたのだ。
 12時04分、ようやく八方池に到着した。
 ここは池面に映る白馬三山をはじめとする後立山連峰の姿が美しいというのが有名だが、不帰ノ嶮(かえらずのけん)もその荒々しい岩肌を晒すのも間近に見えるのもビューポイントになっている。
 しかし、池面にあるのはこれらの姿ではなく、厚い雪の塊だった。まだ、雪が解けきってはいなかった。解けて水面が顔を出しているのは、岸辺の1mくらいの部分のみで、池面の90%以上は雪に覆われていた。
 だが、岸辺では確実に春は始まっており、ウメハタザオやミツバオウレン、珍しいところでは白いタテヤマリンドウなどが咲き、彩りを添えていた。
 ここで1時間ばかり休憩した後、下山に取り掛かる。
 下山も花を見付ければカメラに収めることは往路と変わりないが、目ぼしい花は既に撮り終えているので撮影する機会は少ない。このため、往路より早く降りることができたが、八方池山荘に帰り着いたのは14時30分。1時間20分を要していた。
 ここからはリフト2つとゴンドラを乗り継いで降れば駐車場まで帰ることができるので、本来なら書くこともないが、本日はもう一仕事が残っていた。シラネアオイの撮影だ。
 1つ目のリフトは何もないので問題はない。
 問題は、2つ目のリフト、アルペンクワッドリフトだ。このリフトがうさぎ平に到着する終点間際である。およその場所は分かっているので、それに向けて如何にピントを合わせるかが問題だ。そこで連写することを思い付いた。連写モードに合わせ、その場所に到着するのを『今や遅し』と待ち構えた。そして、その瞬間がやってきた。何も考えず、カメラを信じてシュッターを押し続けた。その場所は一瞬に通り過ぎた。慌てて、再生するとどうにか写っていた。
 検札を受ける際、係員に「シラネアオイの咲いている場所まで登らせて欲しい」と頼んでみる。すると、駅舎へ入っていき、誰かと相談したようだったが、結果は「ダメ」であった。それでも遠くからではあるが、写すことができたことだけで満足し、気分良くゴンドラに乗ることができた。
八方池

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