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2017-05

処女出版 - 2015.03.17 Tue

写真集『大雪山の花』
 昨年の今頃、エプソン社の製品を何気なく見ていると、「A4版カラ―1ページあたり6.1円」という宣伝文句に目が惹きつけられた。
 これと同時に頭の中で目まぐるしく数字が駆け巡った。
 1枚6.1円なら100ページの印刷、すなわちインクが610円。100ページということは紙が50枚、1枚が5円として250円。製本がいくらかかるか分からないが、1冊分100円と仮定して100冊で1万円である。ということは100ページの写真集の制作費用が、インク6万1000円、紙2万5000円、製本1万円で、総額が9万6000円などなどと……。
 これなら赤貧生活を送る私にも不可能な数字ではないと、暗闇に1条の光の筋が差し込むのを見た思いがした。
 文字印刷なら、どのプリンタでもその出来に大差はなかろうが、写真印刷となると千差万別である。刷り上がったものを直にこの目で確かめないことには安心できない。そこで、エプソン社に問い合わせると、「名古屋(泥江町)のショールームで印刷してみることができる」とのことだったので、早速、ここを訪れる。
 印刷の出来は、現在、使用している写真用のプリンタ(PM-G4500)に比べると性能は劣るものの、見られないものではないことが分かる。
 結果、このプリンタ(PX-B700)をアマゾンで購入する。価格はハッキリとした記憶はないが20000円余であったと記憶している。
 次に紙である。
 写真専用紙を使用するとなると何処のメーカーのものでも多少の差はあるもののA4版1枚が数十円を必要とする。これでは高額過ぎて私の予算をオーバーする。このため、ツテを頼って探すと、紙問屋の大松社が見付かる。
 ここで、インクジェットプリンタ用の両面印刷紙を探してもらうと、メーカーは不詳だが、『印字上手キク・ホワイト』という紙(フォトマット紙クラス)が見付かった。原紙1枚が69円、1枚の原紙からA4紙9枚が採れるので、A4紙1枚が7.67円となる勘定だ。この原紙を350枚購入して、A4を2850枚、A3ノビ(表紙用)100枚を切りだしてもらう。
 これで印刷準備が一応は完了した。
 この写真集はA4版。花は大雪山に咲くものに限定し、1種類の花を1ページ全面印刷で行う形式を考えていた。このため、費用の面を考慮すると、あまり多くの花を採り上げることはできない。2012年と13年に登って撮った写真の中から合格点のつくもの、60種を選び出す。そして、花の名前、咲いていた山、撮影した日付を写真に書き込む作業を行う。
 そして、いよいよ印刷である。
 50音順に並べるため、最初のアオノツガザクラから印刷を開始する。発行数は100部を予定しているので、100枚を刷り上げる。続いてイソツツジをと、取り敢えずは偶数ページ100枚づつを印刷していく。しかし、インクの消費量が思っていた以上に激しく、プリンタにセットしてあったインクは瞬く間に無くなってしまう。このため、通常の倍量が入っているLサイズのもの1セット(約16000円)をアマゾンで購入する。また、黄色インクの消費は他のものに比べて早い。この傾向はどのプリンタでも同じであるので、これを余分に手当てしなくてはならない。
 このため、発行部数を50部に減少して様子見することにしたが、インクの消耗は激しいことは相変わらずで、2度ばかりインクの補充買いすることになった。
 もう1つ、困ったことが起こった。両面印刷すると、紙が波打つように変形してしまうことがあることだ。あることという表現は、変形しないこともあるということで、予測は不可能であることも始末が悪かった。刷り上がったものを束ねて重石(おもし)を置いてみたが真っ直ぐになることはなかった。
 まだ印刷は緒に就いたばかりであるのに、この始末だ。50部に計画を縮小したとしても、インク代がいくらかかるか想像もできず、空恐ろしくなってきて、写真集の制作は頓挫を余儀なくされ、そのまま放置して北海道へ出かけていくことになってしまう。
 年が変わるが打開策は思い付かなかったが、あるとき、写真を縮小したものに置き換えることが閃いた。
 そして、写真はL版(127×89mm)に変更すれば、当然、インク使用量も抑えることができる。これは良いことを思い付いたと自画自賛、レイアウトを決める。
 このように変更すると、花の名前を写真の中に書き込むのでは文字が小さくなって読み辛いので、写真とは別に外書きすることになる。とすると、先に用意した写真は使えなくなり、新たに用意し直す必要に迫られた。
 どうせ写真を作り直すのなら、掲載する花の種類も増やすことを考え、90種に変更する。
 こうして計画を全面的に変更したのを機に、使用インクもエプソン社の純正品から他社製の互換インクを使うことを思い付き、早速、3セットを購入する。すると、驚くことに、互換インク3セット分の料金が、純正品の1本分より安価であった。要するに、互換インクは純正インクの12分の1以下ということだった。
 これに気を良くして、新版『大雪山の花』の印刷を再開する。だが、黒色部分が色抜けするものが現れた。仕方なく、これは写真を切り替えて対処することにしたが、ここで大きな間違いを犯した。ここで使用する写真のサイズはL版(127×89)であったのをつい失念して、カメラサイズ(127×85)で写真を作成してしまったことだ。
 互換インクの黄色がそろそろ交換時期だというとき、印刷した写真に縞が出るようになる。ノズルに変調をきたしたことが分かって、ノズルの清掃を行ってみるが、直るには至らなかった。ノズルが詰まってしまったようだ。このような事態になる恐れは互換インクを使うと決めたときに頭に閃いたことだが、これだけ多くが使われていることからみて、互換インクの性能も向上しているのだろうと自分勝手に理解したことが裏目に出たようだ。
 これで、プリンタは使用不能となって、印刷作業を続けることはできなくなる。『安物買いの銭失い』という諺は知ってはいたが、このような形で私自身に降りかかってくるとは思ってもみなかった。
 いろいろと挫折はあったが、ここまで何とかやってきた。ここで中止するのは口惜しい限りである。そこで制作を続行、完成にまで漕ぎつけたいという重いが強くなる。
 考え抜いて出した結論は、これまで使用しているプリンタ(PM-G4500)で印刷を続行することだった。
 このように紆余曲折を経て、当初、計画していたものとは大きく形を変えたが、印刷も無事に終え、丁合いも済ませ、3月10日に上梓させることができた。このあと、製本所に持ち込めば完成となる運びだが、年度末は多忙を極めているので、製本が終わるのは4月中頃になる見込みである。今では、このときが待ち遠しく思う。一日千秋の想いで待つというのが、このことだろう。

写真集・大雪山の花

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