紅葉を尋ねて② - 2014.10.29 Wed
下台倉山 (しもだいくらやま・1604m)
前日、八海山から下山して魚沼市の道の駅(ゆのたに)に到着したとき、17時の直前であった。早速、案内所に飛び込んで、平ヶ岳の紅葉の具合を尋ねると、2週間前に頂上が最盛期で、今は下の方でも盛りは過ぎているだろうと、予期せぬ答えが返ってきた。
前回、私たちが平ヶ岳に登ったのは3年前の10月20日,21日で、時期的にはまったく変わらないのに、この始末である。今年は残暑もなく、早く秋を迎えたことが紅葉の時期を早めたのだろうと理屈付けしてみるが、何とも口惜しいことである。
そういえば、この頃には陽は落ちていて、寒さが急激に増してくるのを感じた。長袖のシャツだけでは寒いので、その上にフリースの上着を羽織ってちょうどいい加減である。
19日、6時頃、目覚めるがガスが出ていて天気はあまりいいとはいえなかったが、とにかく登山口までは行ってみることにする。
6時頃、道の駅を後にして登山口に向かう。
この辺りは豪雪地帯で、奥只見湖へ向かう道(シルバーライン)は、トンネルとか雪避けシェルターに覆われた道を通っていく。銀山平で国道352号に交わるが、この間、13kmはこんなトンネルが延々と続いている。
国道に出ると、今度は奥只見湖畔沿いのクネクネと曲がりくねった道となる。以後、こんな走り難い道を1時間余も走り、草臥れてきた頃に鷹ノ巣集落に入ってくる。この集落には、平ヶ岳の登山基地となっている清四郎小屋がある。
昔は清四郎小屋の周辺に登山者駐車場があり、登山者はここに車を停めて、登山口まで10分くらい歩いていたが、登山口に駐車場が整備されため、今はこの10分間の歩きをしなくても済んでいるとのことだ。
8時過ぎ、登山口に到着する。
ここの20台は停められる駐車場はほぼ満杯の状態だったが、私の車を停めるくらいの空きはあり、ここへ車を駐車、ここで朝食を摂る。

食べ終わった頃には天気は回復、前日と同じように青空がいっぱいに広がっていた。天気予報どおりになったことを喜び、9時13分、駐車場(登山口)を歩き始める。
ここは3年前に登っているので、およその様子は記憶している。
登山口からしばらくは林道を歩くことになるが、この路面は草に覆われていて、林道の面影は薄れ、どちらかというと広めの幅員の登山道といった趣きである。この登り勾配の道を10分くらい歩いていくと、下台倉沢橋という標識が立ててあるが、そこには橋というにはあまりにもお粗末、1本の四角い木材が向こう岸に渡されているだけであった。以前はもう少しマシな橋が架けられていたのだろうが、これが流されてから応急措置としてこの橋が架けられたようだ。3年前もこの橋であったので、架け替える意思はなく、放りっぱなしになっているようだ。このため、林道といっても車は走れず、これが林道を登山道化させている原因だろう。
この橋を渡り、しばらく歩くと三叉路になっている。林道は真っ直ぐ直進しているが、右手にもう1本道が付いている。これが平ヶ岳へ通じる登山道である旨、ここに立てられている標識杭に示されていて、このことが分かる仕掛けだ。ちなみに、登山口からここまでの距離は800m弱、高低差が60メートル、そして所要時間は18分であった。
ここからが本格的な登山道となる。
最初は尾根に向かって尾根腹(山腹?)を斜め直線的に登り上がるのだが、これまでのダラダラとした登り勾配とは異なって山登りらしい勾配に変わるので、初めのうちは戸惑いを感じたほどだった。
なお、登山らしい勾配といっても漠然としすぎるのでイメージが湧かないといけないので、もう少し分かり易く具体的に述べる。
最初の登山道入口の標高は900m、私たちの最終到達地点のそれが1420mである。同じく、この間の水平距離は1790mである。ということは、1790m水平移動して、この間の標高差520mを登ることになる。すなわち、平均斜度は29%ということになり、角度に直せば30度に近い勾配を登り上がることになるので、かなり険しい登りになる。
20分くらいで尾根に乗ることができる。ここまで到達すると、展望は一気に開けてきて、左手には尾瀬を代表する山、燧ヶ岳の雄姿が青空にクッキリと浮かび上がって見えていて、途端に山登りの高揚した気分にさせられる。

更に歩みを進めると、今度は前方に水平な尾根が私たちの歩く尾根と直角に交わるように見えてくる。その右手には尖った山が見えており、最初はこれが私たちの目指す下台倉山だと思っていたが、近づくにつれてこれが誤りであることが分かる。なお、家に帰ってから地図で調べると、下台倉山の北隣の鷹ノ巣山であった。
ここからずっと痩せ尾根が続いている。それも、所どころに岩道が混ざり、滑りそうな場所にはロープなどの補助具が付けてある。
何時もは1眼レフカメラをザックの中に入れているが、この日の私はこれを首に掛けている。首に掛けているといっても、手を添えていないとカメラがブラブラと動くので、常時、手を添えていなければならない。要するに、どちらかの手で絶えずカメラを抱え持っている形で、片手しか使うことができない。したがって、ロープなど付いている箇所では苦戦を強いられる。
だが、前日、道の駅の案内所で聞いた通り、紅葉には些か遅れ気味ではあるが、それでも至る所に撮影ポイントがあるので、カメラを手に持っていなければ逆の意味で不自由でしかたがないので止むを得ない。
紅葉には遅いというものの、前日の八海山に比べると格段に本日のほうが見栄えがする。これは時期のせいばかりではなく、元々、こちらのほうが綺麗に色付くことに気付かされる。
3年前、目の前が真っ赤に染まり、火事場の中にいるような錯覚を覚えるほどの燃えるような赤に変色した場所があった。当然、今回もここが1番の目当てであるが、それが何処にあるか、どのように紅葉しているかと考えながら歩いていくが、『ここだ』という場所になかなか出合わなかった。
11時26分、1420m峰に到着した。
この先、尾根は20mくらい切れ落ち、そこから再び200mを急登すると丁字尾根にぶつかる。この左手脇に下台倉山がある。
今いる1420m峰の辺りの木々はスッカリと葉っぱを落として裸になった枝が寒々と憐れな姿をさらしている。したがって、これより先へ進んだとしても、綺麗な場面に出くわすようなことは考えられない。「どうする?」と姫君の意向を尋ねると、「ここまででいいんじゃぁない」と、格別、未練はないようなので、本日はここまでとする。
ここで5分ばかりの休憩をしただけで、直ちに下山に取り掛かる。
下山といっても、登山口までまっしぐらという訳にはいかない。前回、感動した真っ赤に色を変えた所を探さなければならないからだ。
下山を始めて30分くらいの所が、その場所はあった。登ってきたときに見落したのは、登りと降りではまったく目に映る景色が異なって見えるという事情からだ。
場所は判明したとはいえ、色の具合はやや黒っぽい赤色に染まっていて、記憶に残る真っ赤な色ではなかった。これで来年への宿題が残ったわけだが、これが果たせるかは現在の体力を勘案すると微妙といわざるを得ない。
これで総てが終わり、あとは一目散に駐車場へ戻るだけだった。
下山中、2人の平ヶ岳からの下山者に出会った。1人は、今朝、鷹ノ巣登山口を出発、この尾根をピストンしたという豪の者。もう1人は、清四郎小屋から中ノ岐川林道奥の宮様ルートの登山口まで車で送ってもらい、帰りはこの台倉尾根を自力で降ってきたという人だった。
宮様ルートの登山口までの送迎は銀山平の複数の民宿によって以前から行われていた。これに加えて、清四郎小屋でも迎えは行わないが、送り付けるサービスを始めたようだ。ちなみに、運賃は2500円とかと聞いたような記憶だ。でも、私のこと、当然、うろ覚えである。
そして、13時02分、登山道の終点である登山道入口を通過、13時17分に駐車場のある登山口に帰り着いている。

前日、八海山から下山して魚沼市の道の駅(ゆのたに)に到着したとき、17時の直前であった。早速、案内所に飛び込んで、平ヶ岳の紅葉の具合を尋ねると、2週間前に頂上が最盛期で、今は下の方でも盛りは過ぎているだろうと、予期せぬ答えが返ってきた。
前回、私たちが平ヶ岳に登ったのは3年前の10月20日,21日で、時期的にはまったく変わらないのに、この始末である。今年は残暑もなく、早く秋を迎えたことが紅葉の時期を早めたのだろうと理屈付けしてみるが、何とも口惜しいことである。
そういえば、この頃には陽は落ちていて、寒さが急激に増してくるのを感じた。長袖のシャツだけでは寒いので、その上にフリースの上着を羽織ってちょうどいい加減である。
19日、6時頃、目覚めるがガスが出ていて天気はあまりいいとはいえなかったが、とにかく登山口までは行ってみることにする。
6時頃、道の駅を後にして登山口に向かう。
この辺りは豪雪地帯で、奥只見湖へ向かう道(シルバーライン)は、トンネルとか雪避けシェルターに覆われた道を通っていく。銀山平で国道352号に交わるが、この間、13kmはこんなトンネルが延々と続いている。
国道に出ると、今度は奥只見湖畔沿いのクネクネと曲がりくねった道となる。以後、こんな走り難い道を1時間余も走り、草臥れてきた頃に鷹ノ巣集落に入ってくる。この集落には、平ヶ岳の登山基地となっている清四郎小屋がある。
昔は清四郎小屋の周辺に登山者駐車場があり、登山者はここに車を停めて、登山口まで10分くらい歩いていたが、登山口に駐車場が整備されため、今はこの10分間の歩きをしなくても済んでいるとのことだ。
8時過ぎ、登山口に到着する。
ここの20台は停められる駐車場はほぼ満杯の状態だったが、私の車を停めるくらいの空きはあり、ここへ車を駐車、ここで朝食を摂る。

食べ終わった頃には天気は回復、前日と同じように青空がいっぱいに広がっていた。天気予報どおりになったことを喜び、9時13分、駐車場(登山口)を歩き始める。
ここは3年前に登っているので、およその様子は記憶している。
登山口からしばらくは林道を歩くことになるが、この路面は草に覆われていて、林道の面影は薄れ、どちらかというと広めの幅員の登山道といった趣きである。この登り勾配の道を10分くらい歩いていくと、下台倉沢橋という標識が立ててあるが、そこには橋というにはあまりにもお粗末、1本の四角い木材が向こう岸に渡されているだけであった。以前はもう少しマシな橋が架けられていたのだろうが、これが流されてから応急措置としてこの橋が架けられたようだ。3年前もこの橋であったので、架け替える意思はなく、放りっぱなしになっているようだ。このため、林道といっても車は走れず、これが林道を登山道化させている原因だろう。
この橋を渡り、しばらく歩くと三叉路になっている。林道は真っ直ぐ直進しているが、右手にもう1本道が付いている。これが平ヶ岳へ通じる登山道である旨、ここに立てられている標識杭に示されていて、このことが分かる仕掛けだ。ちなみに、登山口からここまでの距離は800m弱、高低差が60メートル、そして所要時間は18分であった。
ここからが本格的な登山道となる。
最初は尾根に向かって尾根腹(山腹?)を斜め直線的に登り上がるのだが、これまでのダラダラとした登り勾配とは異なって山登りらしい勾配に変わるので、初めのうちは戸惑いを感じたほどだった。
なお、登山らしい勾配といっても漠然としすぎるのでイメージが湧かないといけないので、もう少し分かり易く具体的に述べる。
最初の登山道入口の標高は900m、私たちの最終到達地点のそれが1420mである。同じく、この間の水平距離は1790mである。ということは、1790m水平移動して、この間の標高差520mを登ることになる。すなわち、平均斜度は29%ということになり、角度に直せば30度に近い勾配を登り上がることになるので、かなり険しい登りになる。
20分くらいで尾根に乗ることができる。ここまで到達すると、展望は一気に開けてきて、左手には尾瀬を代表する山、燧ヶ岳の雄姿が青空にクッキリと浮かび上がって見えていて、途端に山登りの高揚した気分にさせられる。

更に歩みを進めると、今度は前方に水平な尾根が私たちの歩く尾根と直角に交わるように見えてくる。その右手には尖った山が見えており、最初はこれが私たちの目指す下台倉山だと思っていたが、近づくにつれてこれが誤りであることが分かる。なお、家に帰ってから地図で調べると、下台倉山の北隣の鷹ノ巣山であった。
ここからずっと痩せ尾根が続いている。それも、所どころに岩道が混ざり、滑りそうな場所にはロープなどの補助具が付けてある。
何時もは1眼レフカメラをザックの中に入れているが、この日の私はこれを首に掛けている。首に掛けているといっても、手を添えていないとカメラがブラブラと動くので、常時、手を添えていなければならない。要するに、どちらかの手で絶えずカメラを抱え持っている形で、片手しか使うことができない。したがって、ロープなど付いている箇所では苦戦を強いられる。
だが、前日、道の駅の案内所で聞いた通り、紅葉には些か遅れ気味ではあるが、それでも至る所に撮影ポイントがあるので、カメラを手に持っていなければ逆の意味で不自由でしかたがないので止むを得ない。
紅葉には遅いというものの、前日の八海山に比べると格段に本日のほうが見栄えがする。これは時期のせいばかりではなく、元々、こちらのほうが綺麗に色付くことに気付かされる。
3年前、目の前が真っ赤に染まり、火事場の中にいるような錯覚を覚えるほどの燃えるような赤に変色した場所があった。当然、今回もここが1番の目当てであるが、それが何処にあるか、どのように紅葉しているかと考えながら歩いていくが、『ここだ』という場所になかなか出合わなかった。
11時26分、1420m峰に到着した。
この先、尾根は20mくらい切れ落ち、そこから再び200mを急登すると丁字尾根にぶつかる。この左手脇に下台倉山がある。
今いる1420m峰の辺りの木々はスッカリと葉っぱを落として裸になった枝が寒々と憐れな姿をさらしている。したがって、これより先へ進んだとしても、綺麗な場面に出くわすようなことは考えられない。「どうする?」と姫君の意向を尋ねると、「ここまででいいんじゃぁない」と、格別、未練はないようなので、本日はここまでとする。
ここで5分ばかりの休憩をしただけで、直ちに下山に取り掛かる。
下山といっても、登山口までまっしぐらという訳にはいかない。前回、感動した真っ赤に色を変えた所を探さなければならないからだ。
下山を始めて30分くらいの所が、その場所はあった。登ってきたときに見落したのは、登りと降りではまったく目に映る景色が異なって見えるという事情からだ。
場所は判明したとはいえ、色の具合はやや黒っぽい赤色に染まっていて、記憶に残る真っ赤な色ではなかった。これで来年への宿題が残ったわけだが、これが果たせるかは現在の体力を勘案すると微妙といわざるを得ない。
これで総てが終わり、あとは一目散に駐車場へ戻るだけだった。
下山中、2人の平ヶ岳からの下山者に出会った。1人は、今朝、鷹ノ巣登山口を出発、この尾根をピストンしたという豪の者。もう1人は、清四郎小屋から中ノ岐川林道奥の宮様ルートの登山口まで車で送ってもらい、帰りはこの台倉尾根を自力で降ってきたという人だった。
宮様ルートの登山口までの送迎は銀山平の複数の民宿によって以前から行われていた。これに加えて、清四郎小屋でも迎えは行わないが、送り付けるサービスを始めたようだ。ちなみに、運賃は2500円とかと聞いたような記憶だ。でも、私のこと、当然、うろ覚えである。
そして、13時02分、登山道の終点である登山道入口を通過、13時17分に駐車場のある登山口に帰り着いている。

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