topimage

2017-08

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

湯ノ峰(ゆのみね・722m) - 2014.04.21 Mon

脚力の衰えを自覚
 4月19日、この日は鎌ヶ岳山系の湯ノ峰に登る。この日を選んだのは、20日以降は天気が芳しくないからというごく単純な理由からだった。
 本来なら久しぶりに鎌ヶ岳まで行きたいところだが、現在の私たちの体力では荷が重いことは分かっているので、途中の湯ノ峰にしたという経緯があった。
 湯ノ峰といっても知る人は少ないと思うので、これについて説明する。
 鎌ヶ岳(標高1161m)を県境尾根に沿って南へ降ると岳峠がある。これは鎌ヶ岳の肩に当たる。この場合の肩とは山岳用語で、山を人間の体型に例えて頭が頂上、踏ん張って開いた足を麓とすると、頂上の直ぐ下の少し平らになった場所を指す。これでも分かるように頂上直下であり、こんな所に峠があるのもおかしな話で、むしろ乗越(のっこし)と呼ぶのが相応しいのだが現実には峠と呼びならわされている。ちなみに、昭文社の地図にもこの名前を使用している。
この岳峠から南の方角へ伸びているのが、鎌ヶ岳頂上から続く主稜線の県境尾根で、通称、鎌尾根である。この主稜線から東の雲母峰(きららみね)へ伸びる尾根がある。この雲母峰へ伸びる尾根は途中でふた手に分かれ、右が雲母岳へ、左が湯の山市街へ通じている。この湯の山市街へ通じる尾根を馬ノ背尾根と呼ばれている。この馬ノ背尾根を理解するには、長石谷の右岸尾根というと分かり易いかもしれない。
 この馬ノ背尾根の中間にある標高722mのピークが湯ノ峰である。
 この湯ノ峰へ登るには馬ノ背尾根の端ともいえる湯の山にある三岳寺を登山口とするルートが一般的である。一般的というより、これだけだといってもよい。
 ここへ登る際、登山口と頂上を往復するだけでは面白みに欠け、また、他に目的もあるので長石谷から馬ノ背尾根をグルッと周回することを考えて出発した。
 この日は土曜日でもあり、鈴鹿スカイラインの途中にある駐車場は満車になることを考慮して、何時もよりも早い時間に自宅を出発したが、ここに到着する前から駐車場に停めることは無理なことを自覚させられた。というのは、これより手前にある御在所岳裏道登山口駐車場が満車であったことに加えて、この先の道路も駐車余地のある場所はことごとく車で埋め尽くされていたからだ。
 私が駐車しようと予定していたのは、このスカイラインが有料であった頃、料金徴収所であった場所だった。従来、ここの空いた場所に登山者が適当に車を停めていた。昨春、この辺りに建っていた建物などが取り壊されて駐車場にするための工事が行われており、現在はこれが完成しているはずだ。以前より収容能力は向上したはずだが、ここに収容しきれなかった車が手前の路肩に停められていることが推定される。
 駐車場に到着してみると、案の定、満車。周辺の道路脇もこれまでに見てきたのと同じ状態で、私の車はこの辺りには停められそうもなかった。
 仕方がないので更に先へ進む。御在所山の家の前も同じであったが、その先の右手に1台くらいは押し込められそうな空間が見付かったので、ここへ停める。
 身支度を整える段になって迷う。半袖のシャツのままでいくか、長袖のシャツを余分に羽織るかをだ。本日は予報どおりの上々の天気だが、風が強くて気温も低いためか肌を露出するには些か寒い。このため、取り敢えずは長袖のシャツを羽織ることを選択した。結局、この日は終日、朝と同じような状態が続き、これを脱ぐことは1度もなかった。
 9時頃、駐車場所を後にして登山口へ向かって歩き始める。
 目の前には、昔、車を停めていた空地(今は穴が掘れていて私の車は進入不可)があり、ここのガードレールを潜り降りると武平峠への登山道に出られるので、これを峠とは逆に辿れば長石谷登山口へ行くことができる。「ここから行こうか?」と姫君に同意を求めると、「そんな所を潜るのはみっともないわ」と姫君が拒否するので、大周りになるが先ほどの新しい駐車場まで戻り、そこから旅館街へ通じる道路を歩いていくことになる。
 新駐車場から登山口までは下り道ではあるが、急勾配で足が自然に動いてしまうほど。表現を変えれば、足を動かさないと身体が前へ持っていかれて転んでしまうほどだ。この坂道を湯の山の町の方からの何組もの登山者が大儀そうに歩いてくる。私たちも帰りにはこんな具合だと思うが、これは姫君とて同じだったとみえて、「登って終わるのは厭ね」と暗い声で言う。
 ほどなく長石谷登山口に到着する。
 この登山道は鎌ヶ岳へ登るには主要ルートであり、これまで多くの登山者に愛用されてきた。だが、数年前の豪雨禍により、登山口先の峠谷に架かる小振りの鉄橋が流されてしまって、以後、ここを徒渉しなくてはならなくなる。これが祟ってか、盛時に比べると人気に陰りがみえるようである。
 ゴム長靴を履く私は、少しくらいは水の中に入っても構わないが、登山靴の姫君はここの徒渉が嫌いである。「今日、水はどうだろう?」と登山口を出るとき、真っ先に心配を口にする。だが、昨日は雨が降らなかったとみえて水量は極めて少なかった。これまでで最も少なかったようで、2人とも、楽々と渡ることができる。
ショウジョウバカマ
 この登山口の標高は520mである。一方、湯ノ峰のそれは722mで、標高差は僅か200mに過ぎず、途中に多少のアップダウンがあったとしてもたいしたことはない。
 だが、これは机上での話であることが直ぐに分かる。
 この登山口の直ぐ下手で2つの谷が交わっている。1つが峠谷といい、武平峠を源流とする。もう1つが、今回、遡上する長石谷である。そして、最初に徒渉したのが峠谷、その後は長石谷に沿い、または、直接、谷の中を遡上していくことになる。
 この長石谷には峠谷と合流する直前に2つばかりの堰堤が築かれているので、これらを乗り越えていくことになる。要するに、滝を高巻きしていく場合と同じ理屈で、結構、急登を強いられることになる。
 2つ目の堰堤を乗り越したところで谷の中へ入る。そこから先には大きな滝もなく、水の流れに沿ってなだらかに登り上がっていくので堰堤越えに比べれば楽になる。
 こうして歩いていくが、なかなか花には出合わない。そのうちにショウジョウバカマが顔を見せたが、期待していたイワウチワは姿を現わさず、少し時期が早かったのかと不安になってきた。
 でも、この不安は左岸から右岸へ最初に徒渉した後、直ぐに解消された。右岸の岩壁の上の方にあの白い可憐な花が風に揺れているのがいくつも見られるようになったからだ。
 以後、形のよさそうなものが見付かるとザックを降ろしてカメラを取り出すことになる。本来ならカメラは首からぶら下げて歩きたいのだが、ここのような足元の不確かな道では片手ばかりか両手を使う機会も多いため、できないという事情がある。でも、山慣れた人は首にカメラを吊り下げた態勢で苦もなく歩いていくので、私が歩くのが下手なだけかもしれないが……。
 犬星ノ滝の手前、ここを標高で表すと660m内外の場所まで来たとき、ここから引き返すことにした。
 長石谷から馬ノ背尾根に移る登山道は、犬星ノ滝の辺りから登っていくのだが、ここからだと距離も長く高度差も大きい。これに比べて、最初に徒渉した場所の辺りから真っ直ぐに尾根に向かえば、道は付いていないが最短で登り上がることを思い出したためだ。
 この間の距離を地形図で調べると直線で200m足らず、高度差は7、80mである。これまでにここを何回も登り降りしているが、他の場所に比べて最も楽だったような記憶があった。
 でも、これは半分が当たっているとしても、半分は外れであったことが歩き始めてみて分かった。道ではなく、踏み跡もない斜面を登るのに加えて、この辺りは粗い砂(花崗岩が風化した砂)で滑り易いことが原因である。それに加えて、私は膝が弱くなっていて、踏ん張りが利かなくなっていることを計算に入れていなかったことも誤算であった。
 半分くらい登ったところで、足を休めないと登っていけなくなる。これは姫君も同じだったので、2人とも休憩に異論はなく、直ぐにまとまった。このとき、「こんな所で休んだことはなかったわね。足が弱ったのよ」と姫君が目を遠くに向けていったのが印象的であった。
 こんなことはあったが、何とか馬ノ背尾根まで登り上がった。
 登り上がった場所は、この辺りでは最低鞍部で、標高680mくらいである。ここから湯の山の方へ向かうが、小さいアップダウンが2、3度あって、標高差40m余とはいえなかなか骨が折れた。
 12時30分、湯ノ峰に到着する。この頂上は樹木で視界は遮られてはいるが、それは粗い間隔のため、御在所岳も鎌ヶ岳もその姿を捉える事ができる。
 頂上の一角には、『湯ノ峰 717.1m』と記した標識が建てられていた。標高を小数点以下まで表示するのは3角点が埋められている場合であることに気付き、辺りを探してみたが見付からなかった。帰宅して地形図で確認すると、ここは標高点722mとなっていた。ちなみに、標高点というのは、国土地理院が測量して出した標高であるが、三角点杭は埋まっていない。ここに標識を建てた菰野町観光協会は、2つの間違いを犯したことになる。
 これで登山の目的は達成したが、この尾根へ回った理由はもう1つある。ここにはバイカオウレンが咲くので、この撮影だ。
 目的の場所に行ってみると、イワウチワは多く咲いているが、肝心のバイカオウレンは見付からない。『手ぶらはなるものか』と丹念に探していくと、葉っぱは見付かったが花はない。結果、既に咲き終わり、散ってしまった公算が大であることに気付かされた。そういえば、この尾根上に多くあるアカヤシオは花びらを落とす木が多かったことを思い出し、『やっぱりか』と時機を失したことを自覚した。
 この花がなければ、あとは降りるだけである。一目散に三岳寺まで降りる。この寺には観音様か何にかの仏を祀った祠を立て、四国88ヶ寺を真似たものが作られ、信者はこれを回遊していくようになっている。この施設の最上部に休憩ベンチが設けられていたので、ここで遅がけの昼食を摂る。ちなみに、ここへ到着したのが13時頃であった。
 三岳寺の標高は520m。登山口より90mも低い。ということは、これから登り、駐車場までだと100m余もある。今朝がた、登ってくる登山者に同情したのが、今度は私たちが同情してもらう側に立場が入れ替わった。
 ほうほうの体で駐車地に帰り着いたときには14時を少し回っていた。

イワウチワ

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://yore4040.blog24.fc2.com/tb.php/768-6aa569de
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

人命軽視の医療検査 «  | BLOG TOP |  » 藤原岳①(ふじわらたけ・1140m)

アクセス数

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

登山 (147)
山野草 (417)
雑文 (139)
未分類 (14)
お知らせ (6)
案内 (2)
百名山 (22)
花旅 (75)
旅行 (29)
2014 北の大地花旅 (86)
2016・北海道 (83)
2016・北海道 (1)

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。