花を追っかける旅11 - 2013.09.19 Thu
黒岳 (くろたけ・1984m)
大雪山は、いくつもの山から成り立つ複合峰である。
この主峰は旭岳(2291m)だが、この他に白雲岳(2230m)、黒岳(1984m)、北鎮岳(2244m)などがある。
このうち、ロープウェイが利用できるのは、旭岳と黒岳なので、この2座には今般の花旅でも、ぜひ、登ってみたいと思っていた。
手始めに、7月14日、黒岳へ登ることになった。
この日の朝は、『道の駅・しらたき』で迎えた。幸い、天気も良さそうなので、朝食前に出発、旭川紋別自動車道の上川層雲峡IC(この間無料区間)まで走り、ここから国道39号で黒岳登山口のある層雲峡を目指す。
ここには自走式の立体駐車場と平面駐車場が隣り合っていて相当数の車を収容することができるようになっている。私たちは、ここに駐車するのは初めてで、様子が分からなかったので、目に付いた入口から入ると、立体駐車場の中へ入って行った。この1階はほぼ満車状態であったが、1台の空きスペースを見付けて、ここへ車を押し込む。
薄暗い駐車場内で食事をするには不向きであったが、本日は登山日なので贅沢を言ってはおられず、ここで朝食を済ませる。
ここから歩いてロープウェイ乗場に向かうが、5、6分も歩くか歩かないかという距離で、直ぐに着いた。
ロープウェイは、6時から20分間隔で運行されており、私たちは7時20分発の箱に乗った模様だ。ちなみに、この日、小さいデジタルカメラを持っていくのを忘れたので、時間については定かでないが、姫君のメモによると、しらたき発5時、黒岳7時20分出発となっていて、辛うじて時間が判明した次第だ。
ロープウェイは5合目まで、ここから7合目(標高1510m)までは更にリフトが運行されているので、この間は楽ができる。所要時間は前者が7分、後者が15分だということなので、乗り換え時間を考慮すると30分くらいがかかる勘定になる。
ロープウェイに乗っていたときか、リフトのときか、詳しいことは忘れてしまったが、一瞬、黒岳の頂上部分が見えたときがある。これを見てガッカリした。頂上直下はものすごく急勾配になっていることが分かったからだ。このとき、7合目から頂上まで470m余も登るということは知らなかったので、ロープウェイとリフトを乗り継ぐのなら『楽ができるぞ』と単純に考えていたのが、それが糠喜びというか、単なる希望的観測であったことが分かったからだ。

リフトを降りて、7時50分頃(推定)から歩き始めた。コンパクトカメラを忘れたので、ここから1眼レフカメラを取り出すつもりであったが、あれだけの急勾配を登ることを知らされては重いカメラを手に持つことは躊躇われた。
こうして歩き始めて直ぐに、最初の印象が間違いではなかったということを思い知らされ、内心、嘆きながら登っていくことになる。それでも、距離が短いことが味方してくれ、8時45分、黒岳の頂上に立つことができた。でも、感じとしては先の羅臼岳ほどではないとしても、かなり長時間を歩いたような疲労感を味わっていた。
頂上の天気は上々で、四周の山々が手に取るように見えており、大雪山の雄大さを改めて実感。これまでのきつかった登りの褒美をもらったようにも思え、先ほどまでの恨み節はスッカリと頭の中から消え去っていた。
この頂上を歩いてみると、ここには、イワブクロやイワツメクサが咲いており、この先、花に期待できる雰囲気だった。このため、さらに収穫を得んとして、この先にある石室(山小屋)まで足を伸ばすことにする。
降り始めて直ぐにコマクサ、エゾツツジが咲いていた。前者は秋田駒ヶ岳で見ているので感激はそれほどではなかったが、エゾツツジは今回の北海道では初めてだった。加えて、これまでに見た以上に多くが咲いており、さすがは花の大雪山だと感心させられた。
石室に着いたが、それまでの収穫に気を良くして、更に先へ進むことにする。石室の辺りでは灌木に遮られていた視界が、ここを通り過ぎると、再び、広がった。すると、右手前方に、ひと際、多くの雪を残した山が目に付いた。行き交う登山者に尋ねると、北鎮岳だという。発作的に、この山まで行こうと決める。だが、目に付く花の写真を取りながら進んでいくので、すべての登山者が追い抜いていくし、山はなかなか近付いてこない。これに嫌気し始めた頃に、姫君が小さい白い花を見付ける。ダイモンジソウなどのユキノシタ科の花ということは見当が付くが正確な名前は分からない。とにかく、写真だけは撮らなくてはと思い、しゃがみ込んで三脚を立てる。この撮影をしていると、次から次へと後から来る登山者が追い越していく。この撮影を終えたときには、前進する意欲は萎えてしまっていたし、この頃、既に正午を過ぎていた。このため、ここを最後に引き返すことにする。
石室まで戻り、ここで昼食にしようとすると、「こんな所で? もう少し、こちらの方へ行ってみない」と、石室と反対の方を指差しながら姫君が言う。その方向とは北海岳の方向だということが後になって判明した。
この方向へ降っていくと、大きな沢にぶつかり、これが大きな雪渓になっている。このため、前進するのはここまでとして、適当な乾いた草付きを見付けて遅い昼食を摂ることにする。
ここにはエゾコザクラが多く咲いていた。アルプスならハクサンコザクラだが、ここは北海道なのでエゾコザクラというが、どういうわけだか、これは私の好きな花なので、また、ここでも撮影会が開催された。
こうして花の大雪山を大いに堪能して、戻ることにする。
戻るには、もう1度、黒岳の頂上を越えなければならないが、大収穫に気分がよかったのか、格別に大変だと思うことなく、再度、この頂上を踏み、7合目のリフト乗り場へ向かって下山を開始する。
そして、駐車場へ無事に戻った。このときの時刻は、15時40分だったと姫君のメモに書き残されていた。
こうして黒岳登山を終わる。
この層雲峡にも日帰り温泉はある。でも、ここには入らずに少し離れてはいるが、恩根湯温泉まで足を伸ばして、ホテル四季平安の館(HOに協賛、無料)の風呂に入り、この夜は、再び、『道の駅・おんねゆ温泉』に泊まった。

大雪山は、いくつもの山から成り立つ複合峰である。
この主峰は旭岳(2291m)だが、この他に白雲岳(2230m)、黒岳(1984m)、北鎮岳(2244m)などがある。
このうち、ロープウェイが利用できるのは、旭岳と黒岳なので、この2座には今般の花旅でも、ぜひ、登ってみたいと思っていた。
手始めに、7月14日、黒岳へ登ることになった。
この日の朝は、『道の駅・しらたき』で迎えた。幸い、天気も良さそうなので、朝食前に出発、旭川紋別自動車道の上川層雲峡IC(この間無料区間)まで走り、ここから国道39号で黒岳登山口のある層雲峡を目指す。
ここには自走式の立体駐車場と平面駐車場が隣り合っていて相当数の車を収容することができるようになっている。私たちは、ここに駐車するのは初めてで、様子が分からなかったので、目に付いた入口から入ると、立体駐車場の中へ入って行った。この1階はほぼ満車状態であったが、1台の空きスペースを見付けて、ここへ車を押し込む。
薄暗い駐車場内で食事をするには不向きであったが、本日は登山日なので贅沢を言ってはおられず、ここで朝食を済ませる。
ここから歩いてロープウェイ乗場に向かうが、5、6分も歩くか歩かないかという距離で、直ぐに着いた。
ロープウェイは、6時から20分間隔で運行されており、私たちは7時20分発の箱に乗った模様だ。ちなみに、この日、小さいデジタルカメラを持っていくのを忘れたので、時間については定かでないが、姫君のメモによると、しらたき発5時、黒岳7時20分出発となっていて、辛うじて時間が判明した次第だ。
ロープウェイは5合目まで、ここから7合目(標高1510m)までは更にリフトが運行されているので、この間は楽ができる。所要時間は前者が7分、後者が15分だということなので、乗り換え時間を考慮すると30分くらいがかかる勘定になる。
ロープウェイに乗っていたときか、リフトのときか、詳しいことは忘れてしまったが、一瞬、黒岳の頂上部分が見えたときがある。これを見てガッカリした。頂上直下はものすごく急勾配になっていることが分かったからだ。このとき、7合目から頂上まで470m余も登るということは知らなかったので、ロープウェイとリフトを乗り継ぐのなら『楽ができるぞ』と単純に考えていたのが、それが糠喜びというか、単なる希望的観測であったことが分かったからだ。

リフトを降りて、7時50分頃(推定)から歩き始めた。コンパクトカメラを忘れたので、ここから1眼レフカメラを取り出すつもりであったが、あれだけの急勾配を登ることを知らされては重いカメラを手に持つことは躊躇われた。
こうして歩き始めて直ぐに、最初の印象が間違いではなかったということを思い知らされ、内心、嘆きながら登っていくことになる。それでも、距離が短いことが味方してくれ、8時45分、黒岳の頂上に立つことができた。でも、感じとしては先の羅臼岳ほどではないとしても、かなり長時間を歩いたような疲労感を味わっていた。
頂上の天気は上々で、四周の山々が手に取るように見えており、大雪山の雄大さを改めて実感。これまでのきつかった登りの褒美をもらったようにも思え、先ほどまでの恨み節はスッカリと頭の中から消え去っていた。
この頂上を歩いてみると、ここには、イワブクロやイワツメクサが咲いており、この先、花に期待できる雰囲気だった。このため、さらに収穫を得んとして、この先にある石室(山小屋)まで足を伸ばすことにする。
降り始めて直ぐにコマクサ、エゾツツジが咲いていた。前者は秋田駒ヶ岳で見ているので感激はそれほどではなかったが、エゾツツジは今回の北海道では初めてだった。加えて、これまでに見た以上に多くが咲いており、さすがは花の大雪山だと感心させられた。
石室に着いたが、それまでの収穫に気を良くして、更に先へ進むことにする。石室の辺りでは灌木に遮られていた視界が、ここを通り過ぎると、再び、広がった。すると、右手前方に、ひと際、多くの雪を残した山が目に付いた。行き交う登山者に尋ねると、北鎮岳だという。発作的に、この山まで行こうと決める。だが、目に付く花の写真を取りながら進んでいくので、すべての登山者が追い抜いていくし、山はなかなか近付いてこない。これに嫌気し始めた頃に、姫君が小さい白い花を見付ける。ダイモンジソウなどのユキノシタ科の花ということは見当が付くが正確な名前は分からない。とにかく、写真だけは撮らなくてはと思い、しゃがみ込んで三脚を立てる。この撮影をしていると、次から次へと後から来る登山者が追い越していく。この撮影を終えたときには、前進する意欲は萎えてしまっていたし、この頃、既に正午を過ぎていた。このため、ここを最後に引き返すことにする。
石室まで戻り、ここで昼食にしようとすると、「こんな所で? もう少し、こちらの方へ行ってみない」と、石室と反対の方を指差しながら姫君が言う。その方向とは北海岳の方向だということが後になって判明した。
この方向へ降っていくと、大きな沢にぶつかり、これが大きな雪渓になっている。このため、前進するのはここまでとして、適当な乾いた草付きを見付けて遅い昼食を摂ることにする。
ここにはエゾコザクラが多く咲いていた。アルプスならハクサンコザクラだが、ここは北海道なのでエゾコザクラというが、どういうわけだか、これは私の好きな花なので、また、ここでも撮影会が開催された。
こうして花の大雪山を大いに堪能して、戻ることにする。
戻るには、もう1度、黒岳の頂上を越えなければならないが、大収穫に気分がよかったのか、格別に大変だと思うことなく、再度、この頂上を踏み、7合目のリフト乗り場へ向かって下山を開始する。
そして、駐車場へ無事に戻った。このときの時刻は、15時40分だったと姫君のメモに書き残されていた。
こうして黒岳登山を終わる。
この層雲峡にも日帰り温泉はある。でも、ここには入らずに少し離れてはいるが、恩根湯温泉まで足を伸ばして、ホテル四季平安の館(HOに協賛、無料)の風呂に入り、この夜は、再び、『道の駅・おんねゆ温泉』に泊まった。

● COMMENT ●
お久しぶりです・・・
マンタンさん、おはようございます。
あなたは颯爽としておられ、羨ましく、眩しく眺めておりました。これに比べると、私の老化は相当に進行しているようで、最近は楽することばかり考えております。本当はもうひと花咲かせなくてはとの思いは少しは残っているが、いかんせん、身体が言うことを聞きません。
大雪山は、、この後、赤岳と旭岳に登りました。これについてもおいおい書いてみたいと思っております。
それにしても、神奈川県から北海道に移住されたとは羨ましいかぎりです。私も北海道の良さがもう少し前に分かっておればそうしたいと思ったと思います。
では、マンタンさんの今後増すまずご活躍をお祈りしております。
あなたは颯爽としておられ、羨ましく、眩しく眺めておりました。これに比べると、私の老化は相当に進行しているようで、最近は楽することばかり考えております。本当はもうひと花咲かせなくてはとの思いは少しは残っているが、いかんせん、身体が言うことを聞きません。
大雪山は、、この後、赤岳と旭岳に登りました。これについてもおいおい書いてみたいと思っております。
それにしても、神奈川県から北海道に移住されたとは羨ましいかぎりです。私も北海道の良さがもう少し前に分かっておればそうしたいと思ったと思います。
では、マンタンさんの今後増すまずご活躍をお祈りしております。
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黒岳頂上のお二人の写真を拝見し、懐かしく思います。
私は立体駐車場で車中泊し、朝一番のロープウェイでした、
同じく写真を撮りながらで、段々皆さんにおいていかれましたね。
多くの花が咲き誇っていて、良かったです、さすが大雪・・・
花の写真を撮るとき、かがみます、これが意外と疲れます、黒岳の下りではヨレヨレでした。
これからも、ヨレヨレ山便りを楽しみにしています。