topimage

2017-04

花を追っかける旅8 - 2013.09.15 Sun

羅臼岳 (らうすたけ・1661m)
 7月9日、羅臼岳に登った。
 この山に登るに至ったのには、それなりの理由がある。
 羅臼岳は、日本百名山に入っていたので、2010年に北海道にある他の百名山と共に登っている。このとき、チシマクモマグサを見付けて写真も撮ったが、雨に加えて濃いガスという最悪の天気だったため、結局、撮影は失敗に終わった。この花は北海道の中でも大雪山、夕張岳、その他ではこの羅臼岳を含む知床山系の山に咲くといわれる。しかし、その後、これらの山に登ったが花を見付けることはできなかった。こんな経緯があって羅臼岳に再挑戦することになったわけだ。
 この朝、辺りが白みかけたときには目覚めていた。前夜、登山口のホテル・地の涯脇の駐車場に泊まったので、車の窓からはホテルの玄関から団体が出発していくのや、私たちと同じように車中泊した隣の軽自動車からも男性がザックを担いで登山口の方へ歩き去ったのも目撃した。まだ、出発するのは早いと思いつつも、ここのような光景を目撃すると気が急かされてきて、私たちも出発の準備を急ぐ。
 4時45分、登山口に向かって歩き始める。
 ホテルの横手を通り過ぎると次に木下小屋が現れる。この小屋の前が羅臼岳の登山口になっている。ちなみに、駐車場から登山口までは2、分という距離だ。
 前回、ここに登ったときの印象は、だらだらと緩やかに登り上がっていけば頂上に辿り着くというもので、格別、記憶に残っている場所というものはなかった。その他では、以前、この山へ皇太子殿下が登られ、そのとき、登山道の整備が行われていて、歩き易い道ができていたということくらいだ。
 このレポートを書くにあたって、改めて地形図を見てみると、登山口の木下小屋が標高230m、頂上は1660mで、標高差は1430mもあることが分かった。この間の距離はといえば、6.5km内外、往復すれば13kmを歩くことになる。歩行距離と標高差と合わせみると、なかなかにタフな山であるといえる。
 登山口からは山腹のジグザグ道を登っていくと、間もなく尾根に乗る。ここが標高300m内外の場所だ。ここからは、尾根を忠実に登り上がっていくのだが、この距離が長い。また、尾根といっても樹林に覆われていて視界はなく、退屈な道が続くのも嫌になる。
 6時26分、弥三吉水という水場を通過している。飲料水はウーロン茶2ℓ を持ってきているので水を採る必要はなく、そのまま歩き続けた。
 ここから先、暫くは勾配の少ない道だったので、ひと息つくことができた。ちなみに、ここは極楽平と名付けられていることを知り、『なるほど』と納得したものだ。でも、良いことは長くは続かないということは現実の生活でも、登山でも同じで、次には仙人坂という急登が待ち受けていた。
 この急な登りを何とかこなすと、銀冷水という水場が待っていた。ここの標識には頂上まで2.5kmと書かれていて、頂上に近付いていることは分かったが、反面、まだ、2km以上もあるのかと恨めしい気持ちがないわけではなかった。ちなみに、ここを通過したのは7時30分であった。
大沢雪渓
 ここを通過して数分後には道は消えてしまった。というか、雪で覆われた沢の中へ入っていったのだ。
 前回、ここには雪は残っておらず、沢の中に付けられた道を歩いた。そこには高山植物が多く咲いていて、一眼レフカメラを持参しなかったのを後悔したことが生々しく記憶に残っている。
 前回がこのような状態だったので、雪が残って、こんな大きな雪渓の上を歩くことは想定外であった。雪渓歩きは考えの端にもなかったので、アイゼンなど持ってきていないばかりか、私は登山靴も履いてきていない。ゴム長靴であり、ストックすら持ち合わせがなく、雪渓に入る直前に拾った木の枝を手にしているだけだ。
 今年は遅がけに雪が降って、雪解けが遅いとの話を後になって知った。そういえば、以前、トムラウシ山でもコマドリ沢には雪渓が残りこの上を歩くという山行記を読んだことがあるので、年によってはこんなことが起こるものらしい。
 雪の表面は固くはなっているが、凍ってはいないので注意をしておれば登っていけないことはなさそうだが、降りに問題が残る。でも、時間が経てば経つほど雪面は緩むだろうことは明らかなので、そのまま登っていくことにする。
 この雪渓は羅臼平という稜線近くまで続いていた。それも上に行けばいくほど子勾配はきつくなり、北アルプスでいうと針ノ木雪渓に感じが似ていた。
 ゴム長靴は、軽登山靴に比べても柔らかく、表面の固い雪には対応はできない。このため、風によってできたウロコ状の雪面(風紋)に騙しながら乗るか、人の歩いた跡を付いていくかである。でも、アイゼンを付けている人の大半は4本爪の雪渓用のアイゼンなので、多くの人が歩いた後でもシッカリした踏み跡にはなっていないのでアテにすることはできないのが困る。
 こんな雪渓を悪戦苦闘して登ること50分。ようやく登り終え、8時30分、羅臼平に到着する。ここは羅臼岳、硫黄山への分岐、それにウトロ(木下小屋)側とラウス側の登山口へ通じる道の交差点、4ツ辻になっている。
 ここを羅臼岳の方向に進む。道は平らだといってもいいほどの緩やかな登り勾配のものが続いている。こんな道を歩いていくと、岩清水という水場にやってくる。岩場の上から水が滴り落ちる形式の水場である。
 ここまでくると、本日の目的であるチシマクモマグサもゲットしたので、ここを最終地点として帰るつもりであった。このとき、「ここから頂上まで600mよ」と姫君が標識に記された文字を見付けて私に告げた。600mと聞くと、『まだ、600mもあるのか』と聞こえるときと、『頂上までたった600mか』と聞こえるとがある。このときは後者に聞こえた。そして、「よし、行こう」となってしまった。後から考えると、自分の体力を過大評価していたことになるが、そのときはそんなことを考えなかった。
 ここから道は、岩場の急登に変わり、小さな雪渓も2つばかり渡らなければならず、1時間ばかりかけてようようのことで羅臼岳の頂上に到着した。時刻は、10時ジャストであった。ネットでヤマレコなどをみると、3時間30分程度で登る人がいるようだが、私たちは5時間15分も要している。このように比較してみると、この山も私たちにとっては手強い山、分の過ぎた山になってしまったことを思い知らされた。
 前回に登ったときは悪天候で、頂上に滞在したのはごく短時間、写真を撮っただけだったが、本日は天気も良く、充分に頂上を楽しむことができ、30分くらいは滞在していたと思う。
 復路、大沢の雪渓が気遣われたが、姫君には軽登山靴の爪先部分に結束バンド(靴底が剥がれたときの応急処置用)を巻いて滑り止めにしたが、私の柔らかなゴム長靴ではこれもできない。仕方がないので、『転倒したとしても、この雪質ならば滑落はしない』と、自分自身に言い聞かせて降り始めた。とはいえ、実際はおっかな、びっくりではあったが、何とか降りきることができた。
 帰りには足もガクガクとなり、長い時間がかかったが、14時49分、登山口に無事に帰り着くことができた。

羅臼岳山頂

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://yore4040.blog24.fc2.com/tb.php/723-8a8d878b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

花を追っかける旅9 «  | BLOG TOP |  » 花を追っかける旅7

アクセス数

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

登山 (147)
山野草 (415)
雑文 (139)
未分類 (14)
お知らせ (6)
案内 (2)
百名山 (22)
花旅 (75)
旅行 (29)
2014 北の大地花旅 (86)
2016・北海道 (83)

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する