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2017-04

飛騨の天生湿原 - 2013.06.11 Tue

今年も花は健在だった
 6月4日、天生峠の駐車場に着いて驚いた。この日は平日、加えて白川郷からの道も開いていないということから1、2台の車が停まっていれば上々だと思っていたが、何と20台以上が駐車していた。この中に小型バス2台も含まれており、何人が山に入っているのだろうと感心。ここ天生湿原の人気のほどを再認識させられることになった。
 食事を済ませてから湿原を散策することし、本来、山の中で食すはずのオニギリを車の中で食べる。外は快晴、駐車場には日差しを避ける木陰もなく、暑さが心配されたが、車の屋根で充分であった。
 食事後、登山口に行くと新しいグリーンのテントが建てられ、係員2人が詰めていて入山料(1人500円)を請求される。3年前だったと思うが、ここを初めて訪れたときには、老人が申し訳なさそうに協力を依頼するので協力するのにもしやすかった。だが、本日の係員は入山料を支払うのが当たり前だとの態度には些か腹にすえかねた。そこで嫌がらせで、「午後からの入山なので半額にまけてくれ」というと、「協力金だからまけるわけにはいかない」との返事であった。
 12時30分ごろ、登山口を歩き始める。
 ここから湿原までは、直線距離にして1km弱、標高差130m内外なので、登山というよりハイキングというのが相応しい。
 歩き始めてからいくらも経たないうちにエンレイソウが真っ先にお出迎えしてくれ、次いでサンカヨウにイチゴと矢継ぎ早に花が現れる。これらは見慣れた花でありがた味は薄いが、次に現れるのが何かという期待含みで胸が高まってくる。
 40分くらいで湿原入口に到着する。
 この湿原には時計回りの一方通行の通路が設けられており、これに従って歩き始める。最初に顔を見せたのが黄色のコキンバイ、右手の湿原の中にはミズバショウが咲いていた。ミズバショウというと、どういうわけだか人気があるが、私個人としては美しくも何でもなく、この花を見るためにワザワザ出かける気にはならないが、咲いていれば形の良い花がないかと目で追うのは人情というものである。だが、数は多いのだが、なかなか見映えのする個体には巡りうえない。どちらかというと盛りを終えているように感じる。
 この湿原には中洲状の陸地があり、ここへ通じる木道の橋も架かっているので、これを渡る。この木道の両側には、以前、ミツガシワが咲いていたが、今は時期が少し早いためか、この花は見付けることはできなかった。そういえば、何時もはミズバショウがこれほどの数が残ってはおらず、今年は異常なのかもしれない。ここも今年の冬は例年にも増しての雪が降ったようなので、雪解けが遅かったのかもしれない。
リュウキンカとミズバショウの乱れ咲き
 中州にはヒメイチゲがたくさん咲いていた。
 ここのベンチで休んでいた老夫婦の御婦人のほうが、このヒメイチゲのことをイチリンソウだと私が聞きもしないのに教えてくれた。そういえば、以前、訪れた猿山(奥能登)で、キクザキイチゲをイチリンソウと呼んでいた。イチゲとは一華と書き、1つ花を付けるという意味なので、どちらも一輪草には違いないが、イチリンソウを知っている身としては何だか違和感を持って彼女の話を聞いていた。
 また、湿原を周回する木道に戻って歩いて行くと、ショウジョウバカマ、ハルリンドウ、ミツバオウレン、ミヤマカタバミなどが次々に現れる。ショウジョウバカマなどは見慣れているので珍しさに欠け、普通なら通り過ぎるところだが、ここにはまとまって咲いている。これだけの密度で咲いているのは、ショウジョウバカマといえどもなかなかお目にかかれるものではないので、ジックリと腰を落ち着けることになる。このため、湿原に到着してから前進するのに時間がかかり、まだ、半周もできていない。
 こうして写真を撮っていると、姫君の呼ぶ声が聞こえてくる。彼女がザゼンソウを見付けたようだ。ザゼンソウは、今年、久しぶりに伊吹山で見ているが、それまで何年も見ていないので、私たちにとっては希少種の花ということになり、大喜びで撮影会に参加する。
 これが一段落すると、今度はタケシマランであった。この花は、ここ数年、あちらこちらでお目にかかっていて珍しくはないが、花が小さいのに加えて下向きに咲くので、なかなか撮影が上手くはいかない。このため、時間があれば「今度こそは……」と思って挑戦するのだが、私の腕では限界を感じさせる。ちなみに、今はカメラに2倍の拡大レンズを取り付けてピント合わせをしているが、この助けを借りても上手くはいかずに悪戦苦闘している。いろいろと考えた末、眼鏡を変えることを思い付き、この花旅を終えてからメガネ屋へ行ってみる。検眼した結果、現在、使用しているレンズでは合わなくなっている。度数が進行しているのではなく、逆であった。つまり、眼が良くなっていて、度の弱いレンズに替えたほうがよいとのことで、これを注文してきた。膝痛も完治(?)したし、眼も良くなっている。私の身体に何が起こっているのだろう。今度は、歳が若くなり、還暦をもう1度、やり直さなくてはならなくなるのかと、内心、ニヤついている。
 閑話休題。次にツバメオモトだ。ツバメオモトは、通常、1つの茎から花柄が3つくらい伸びて、その先に花を付けるが、ここのツバメオモトは3つどころか、2倍も、3倍もの花を付ける華々しいものがあるので、当然、今年もこれに期待したが今年は普通のものだけで、ややアテが外れてガッカリした。
 これで湿原を半周した。
 ここから残り半周してもよし、これを後回しにして籾糠山のほうへ向かってもよしという具合に、三叉路になっている。
 この先、まだ花が咲いていることが分かっているので、後者へ進むことにする。この登山道は、いったん、谷へ降りて、以後、この谷沿いの道が付いている。
 この登山道を降りて行くと、そこにも湿地があり、ここは白と黄色のツートーンカラーに彩られていた。その正体は、前者がミズバショウ、後者がリュウキンカであった。
 この見事な眺めに魅了されていると、今度はニリンソウの群生地にやってきた。実は、ここで花びらが緑色に変色したニリンソウを初めて見て、こういう緑色のニリンソウがあることを、このとき、初めて知った。このことを誰かに話したら、「ニリンソウの白色の花びらは、実は花びらではなくガクだ。ガクは元々緑色だから、先祖返りしただけのことで珍しいことではない」と解説をしてくれた。これを聞いて、『目から鱗……』の心境であった。
 とはいえ、実際に緑色のニリンソウを探すとなると大変である。先月、ここ以上にニリンソウの群生する上高地にいった際、必死に探してみたが見付け出すことはできなかった。こんなこともあったので、『夢よ、もう一度』と探して歩くと、意外にあっさりと白と緑の入り混じったものが見付かった。1つが見付かると続くのは何もニリンソウばかりではないが、このときにも次々と見付かった。そして、とどのつまりが全て緑色のものも見付かった。
 これで満足感は最高潮に達した。もう帰ってもいいとの心境になりかけたとき、先ほどのイチリンソウの夫婦とバッタリと再会。彼らは「ミズバショウの大群生を見てきた」と満足そうであった。たいして期待したわけではなかったが、私たちも見てみることにして谷を渡って対岸の道に進む。
 徒渉してから5分も歩くか歩かないうちに、ミズバショウの大群生地に到着した。なるほど、私が予想していたもの以上の規模のものだった。写真で見る尾瀬のミズバショウには及ばないものの、それでもこれだけの数のミズバショウが固まって咲くさまを見るのは初めてのことなので、しばし、茫然の態であった。
 また、ここを訪れた付録もあった。
 それは、キクザキイチゲが固まって咲いていたことだ。前述の猿山での咲きぶりには敵わないが、このときは花を開いたものが少なかったので、その意味ではここに勝るとも劣らないといえる。
 もう1つ、ミヤマキスミレが1つだけだが、咲いていたのも収穫といえば収穫であった。
 これで満足過ぎるほど満足して、帰途に着き、16時20分頃、登山口に帰り着いた。
ミズバショウの一大群生地

● COMMENT ●

この季節の天生湿原は百花繚乱ですばらしいですね。
私も昨年、道路が開通した直後に行って楽しんできました。

 モタさん、こんばんは。
 私は生来の怠け者で下調べすることを嫌い、いつもぶっつけ本番ということが多く、その分、失敗する確率が高いのです。この天生湿原も、結果的には古川回りになることが多く、家内もあきれております。
 なお、天生湿原では、この後、シラヒゲソウという珍しい花が咲くので、出来ればもう1度、出かけてみたいと思っております。


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