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2017-06

能登半島の旅・その3 - 2013.04.13 Sat

猿山 (さるやま・標高332m)
 4月8日、巌門など午前中の観光を切り上げ、カーナビを猿山灯台に合わせて車を走らせる。能登へ来る前に下調べをした結果、この灯台の近くに駐車場を備えた猿山登山口があるとのことが分かっていた。
 猿山の標高は332mなので、海岸端から登るのだとしても、たいした山ではないことは明らかなので心配するほどではないなどと、未知なる山のことを考えながら車を走らせていると、『雪割草群生地』の看板が目に飛び込んできた。反射的にハンドルを切って、その方向へ車を向けてから改めてカーナビの画面を覗き込むと、ゴールは遥か先になっている。訳のわからないまま、看板に示されたほうへ向かって車を走らせていくと、小さな漁港風の所で道は行き止まりになっていた。
 ここは深見地区という小さい集落で、港の脇には公衆トイレがあり、その前には2、3台は駐車可能な空地もあった。だが、登山口には見えないし、尋ねる人影もないヒッソリした集落だった。取り敢えず、この駐車場に車を入れてから付近を探すため、空身で車から降りて周囲を歩きながら手掛かりがないか探して歩く。すると、姫君が『群生地入口』の看板を見付ける。駐車場から2、30mほど集落内を流れる小さな川を上流に遡った所だった。
 これによると、群生地まで3.8kmとなっている。4km近くも歩いて行く、それも登りだろうから大変な労力を要することが分かる。下調べした情報では、気軽に歩けるような印象だったので、ここから歩くことはないと早々に結論が出る。
 再び、車に乗り込み最初にカーナビを合わせた猿山灯台へ向かって車を走らせる。すると、また、雪割草群生地の看板が出ていたのが目に入ってきたが、今回はこれに惑わされることなく、そのまま車を走らせる。
 そのうち、道は登りになってくる。こうなるとカーブが多くなるのは山道の常である。前方からやってくる車は殆どないが、それでも可能性はあるので注意しながらスピードを落として進んでいくと、姫君が「あっ、何か、花が咲いているわよ」という。車を停めて「どんな花だった?」と尋ねると、「白い花のようだったが、ハッキリはしないわ」とのこと。「じゃぁ、戻ってみよう」と、車をバックさせていく。すると、道端の斜面に白い花がいっぱい咲いているのが分かるが、花の種類までは分からない。車から降りて、その斜面に近付いて行くと、花は開いてはいないが、おびただしい数のキクザキイチゲだった。2、3つが固まって咲いているのを見たことがあるが、こんなに咲いているのはこれまでに見たことはない。こんな嬉しいことがあってよいものだろうかと思うが、惜しいことに花びらを広げたものは1つもなく、総てが蕾というか、花びらは閉じた状態であった。「帰りになったら花を開いているかもしれないので、場所だけは覚えておこう」と姫君にいい、再び、車上の人となる。ちなみに、帰りにも確認してみたが、幾分、開き加減の花に変わっていたが、満足に開いたものは1つもなかった。
 前方に駐車場が見えてきた。その先にテントが張ってあり、係員らしき人も詰めているのが見えており、ここが登山口だと分かる。
 駐車場に停めてある車は3台のみだが、パスを停める大きなスペースが設けられており、日曜、祭日には多くが訪れることが分かる。
 ここまで来るのにだいぶ登ってきているので、ここの最高峰、標高332mの猿山までの標高差はたいしたことはないことが分かる。このため、登山用に着替えることなく、普段着にスニーカーという運転してきたままの姿で散策することにする。ちなみに、このレポートを書くにあたって地形図を見てみると、この駐車場の標高は220m余だった。やはり、そのときの感覚は適中、頂上との標高差は110m内外に過ぎなかった。
 係員詰所のテントを訪れると、入山料として1人あたり300円を請求される。これを支払うと領収証替わりにA4版の地図付きのパンフレットをくれる。
 これによると、おおまかにいって雪割草の群生地は3ヶ所に分かれていた。そのうちの1つが先ほど立ち寄った深見集落から近い場所にあるので、先ほどの場所から登っても、根気良く歩けばここまで辿り着くことができることが分かった。残りの2ヶ所は、猿山を挟んだ前後にあった。したがって、こから猿山を周回すれば、何れも通過することが可能なことが分かった。
 このため、3ヶ所の群生地のうち、深見地区に近い群生地を割愛して、猿山の前後の群生地2ヶ所を見ることに決めて歩き始める。
 すると、最初に出迎えてくれたのがイカリソウだった。鈴鹿で見るイカリソウよりは少し小ぶりな印象を受けるが、数が多いのが救いで、被写体に困ることはなかった。
 これが途絶える頃、今度はエンレイソウが顔を見せてくれた。これはイカリソウに比べると見慣れた花で珍しくもないので、鈴鹿で出合ったなら素通りしただろうが、能登という初めての土地での対面だったため、一応、カメラに収めておく。
 猿山灯台の脇を通り抜けた辺りから雪割草が顔を見せ始め、次第に数も多くなってくる。群生地に立ち入ったことが分かるが、残念なことに白色のものがほとんど。それも形が悪い上に花びらを閉じ加減にしたものが多いのにはガッカリした。それでも1つ、2つは色付きのものも見付かり、落胆しつつも丁寧に三脚を立てて撮影する。
 この目玉である雪割草の不作は、昨日の嵐にやられて花が痛んだのと、本日の気温の低さによるためだと帰りに立ち寄った詰所での話だった。また、色付きが少ないのは最盛期を過ぎて色落ちがしてきたためだとの説明だった。しかし、この係員氏は専門家ではなくボランティアで詰所を管理するだけの老人なので、その言の真偽のほどは定かではないが……。
 こうして本命の雪割草は空振りといってもよい状態だったが、この不調を補うだけの予期せぬプレゼントがあった。
 それは、ここへ来るまでの道筋で見たキクザキイチゲ。その群生の度合いは、本命の雪割草を格段にしのぐものだった。これだけの数のキクザキイチゲを見るのは初めてであり、今後もこんな数のものが見られることはここに来ない限りないだろう。ただ惜しいことに、これらの大半が、先ほど見たのと同じで花びらを閉じていたことだ。これが仮に花びらを開いていたらと、その様を想像すると身震いが起きたほどだ。
 最後に猿山の山頂を踏むが、既にクライマックスは過ぎており、これは付けたリに過ぎなかった。
 この山歩きはハイキングに等しいものだったが、登山口に戻ってみれば時間だけは3時間と通常の2倍を要していた。

オオミスミソウ

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