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2017-10

初めての沖縄・その4 - 2013.03.02 Sat

旅の目玉 ・ ホエールウォッチング
 25日、自由行動での昼食を済ませてバスに戻ってくると、添乗員がビニールのポンチョ(カッパの1種)を身に着けていた。これを見ると、『さぁ、ホエールウォッチングだ』と、いや(弥)が上にもボルテージが上がってくる。
 私たちも、早速、持参のカッパを身にまとう。
 私は、今回、カッパが必要だと聞かされて、初めは登山用のカッパを着るつもりであったが、これは重くてかさばるうえに暑苦しいので、ビニール生地のウインドブレーカーを詰めてきた。一方、姫君は、海上での防寒対策も兼ねて登山用のカッパ上下を持参してきていたが、本日の天気から流石にカッパのズボンは着けずに上だけを羽織った。
 添乗員が手続きを済ませる間、10分か20分くらい待たされる。この間、私たちも便所へ行ったりしていると、係員がやってくる。そして彼に誘導されて船が繋いである岸壁へゾロゾロと歩いて行く。
 船は大型クルーザー。この後部を多くの人が乗せられるように改造してある。ここへバス1台の乗客37名に添乗員1名を乗せるとほぼ満杯になった。
 船に乗り込むと、まず最初にライフジャケット(救命胴衣)が渡されるので、これを身に着ける。これで準備完了だ。
 13時30分頃、軽やかなエンジン音を立てながら静かに岸壁を離れていく。しばらくして外海に出ると、エンジン音はうなり声を上げ始め、これとともに船のスピードは一気に増していった。時速はどれくらいだろうか。海の上では背景の流れが陸上とは全く違うので正確なことは推定できないが、感覚的には時速60kmは出ているのではないかと思われた。
 本日の海は、比較的、穏やかである。でも陸地に近いとはいえ、ここは外海、東シナ海だ。穏やかとはいっても、1mくらいの波があり、船がスピードを上げるに従い、大きく上下に揺れるようになる。
 これまで私も、姫君も船酔いにはなったことがない。このため、乗船前に酔い止め薬(500円)を購入しなかったことが悔やまれてきたが、いまさら、どうしようもないので運に任せるしか他に方法がなかった。ちなみに、帰港までに船酔いをした乗客は1名のみ。
 船酔いは、何かに気を紛らわせていると罹り難いらしく、乗組員(船長以下4名)の1人が、話し掛けてきたり、冗談をいって客を笑わせたりしていた。ちなみに、彼は接客係らしく、クジラについての説明(クジラ博士を自称)などを一手に引き受けていた。
 港を出てから4、50分を経過した頃、沖縄本島に最も近い離島、慶良間(けらま)諸島がハッキリと見え始めた頃、船はエンジンを停止、波間に漂い始めた。クジラが見付かったとのことだ。
 乗船時には、船の舳先甲板と客室上部の後部甲板(2階)の2ヶ所で、クジラを観察すると説明されていたが、こうして到着してみると舳先甲板1ヶ所に乗客を集め、ここで全員がクジラを見ることになった。理由は、「危ないから……」というものだったが、本日の波で危ないのなら、ほぼ毎日が危険ということになる。船側の本心は、2手に分ければ、その分、余計に手間がかかるのでこれを嫌ったものと理解した。要するに、手抜きしたのだと思う。
 狭い舳先甲板に40名弱が集まれば、どういうことになるか誰もが想像が付くというものだ。
 私が、ここへ上がった(客席を1階と仮定すると、舳先甲板は中2階に相当)ときには前のほうは埋まっていた。先陣争いに負けたわけで、さて、これからどうなることやらと先が危ぶまれた。ここで「座れ」と指示されるが、膝が悪くて正座できない私は、立ち膝で座るより仕方がないが、これだと後ろの人に迷惑がかかるし、第一、こんな不安定な姿勢で長時間を過ごせるわけがなく困っていた。案の定、「そこの方、座ってください」と注意される。「座れといわれても、座れないものはしようがないじゃぁないか」と怒気を込めて言い返す。木の甲板に立ち膝で座っていると、違う意味で膝が痛くなってくるので、『これでは先行きどうなるか、クジラを諦めることになるかもしれない』と思うと、何だか、腹が立ってくる。
 こうしてイライラしていると、後ろから声がかかる。「ここに腰掛けてください」と……。そこは、外と内を仕切る窓の下で、幅は狭いが何とか尻が下ろせ、高さも風呂場の小さい腰掛くらいで、少し窮屈ながら腰かけて腰かけられないことはない。したがって、ここなら何とか耐えられそうなので一安心だった。心のゆとりが生じると姫君のことが気がかりで、何処にいるか目で探すと、3列目か、4列目辺りに座っていた。場所としては、良くはないが、他に良い場所が空いているわけではないのでいたしかたない。ちなみに、後で尋ねてみると、「肉眼でクジラを見ることはできたが、写真は撮れるような状態ではなかった」とのことだった。
 これで観察態勢が整ったことになり、あとはクジラの出現を待つだけだ。
 前述の自称、クジラ博士が、色いろと説明してくれるが、何だか信用できるか否か、漠然とした疑問が持たれる部分もあるので、『話半分』的に聞き流していた。この中で、ガッカリするような話もあって大いに落胆した。
 「現在、ここのザトウクジラは、子育てのために、外敵のいない、静かで温暖な海を求めて北の方からやって来ている」とのこと。ここまでは良かったが、このあとが問題だった。「ザトウクジラが子育てをする間、何ヶ月も餌を摂らず、体内の脂肪を消費して生存している。このため、身体は痩せ細り、海面へ上半身をせり上げるような体力はない」とのことだった。私が最も望んでいたジャンプ(ここではブリーチという)は見られないので諦めろと引導を渡されたわけだ。
 なかなかクジラは現れなかった。ジリジリしていると、「出た! あそこだ」との声に反応して海面を探すが、影も形も見ることは叶わず、ガックリと肩を落とした。こんなことが、2度、3度と続く。もちろん、カメラをその方に向けてシャッターを押してはいるが手応えはない。
 クジラが出たと教わり、その辺りを目で追い、それらしきと判断した場所にカメラを向けるのだが、このとき、既にクジラは海中の中に消えているという繰り返しであった。この場合、クジラは千両役者であるので、せめてシャッターを切る間、見栄でも切ってくれればよいが、クジラには役者の自覚はないので始末に悪い。こうなると、『クジラはダメかもしれない』とか、『1枚も撮れないで帰るのなら、何のために沖縄くんだりまてきたのか……』などなどと悪い方へ、悪い方へと考えが進み、余計に気分が落ち込んでくる。
 私の隣に安城市からきたというカメラマニアがいたので、「どうですか。撮れましたか?」と尋ねてみる。もちろん、「ダメです。クジラの動きが早いから……」との返事を期待してのことだが、案に相違して、「撮れましたよ」と画像を確認し始めた。これで自分の才能のないことを悟らされ、余計に落ち込むことになった。
 それから何度もクジラは現れ、シャッターだけは何度も切ったが、ファインダーの中でも、肉眼でもクジラの姿を捉えたことは1度もなく、『もうこうなれば、どうにでもなれ』と破れかぶれの心境であった。
 そうこうするうちに、また、「クジラだ」の声。今度は船から近い。肉眼で初めてクジラを確認することができた。これを喜んでいる暇はない。間髪をおかずカメラのシャッターを押し続ける。これが去ってから、早速、モニターで見てみる。光線の加減で詳細までは分からないが、撮れていた。1枚だけでも、撮れたのと、撮れなかったのでは大違いだ。今回は、クジラのためにわざわざ沖縄までやってきたが、この1枚だけで来た甲斐があったと、喜ぶというより安堵感が広がった。
 このとき、クジラ博士が、「こんなに近くにクジラが寄ってきたことは初めてのことだ」と、私たちを喜ばせた。しかし、このあとに更に近くで船に並行するような形で進行するクジラが出現した。ということは、クジラ博士の言葉は、私たちを喜ばせるためのリップサービスに過ぎないことが露呈した。
 このクジラで有終の美を飾り、心置きなく港へ帰ることになり、16時過ぎ、那覇港へ帰港した。
 ちなみに、帰ってから、写した写真を精査すると、船の上では肉眼でも、ファインダーの中でも確認できなかったものの中でも、多くが画像にはシッカリと残っていた。これは、カメラを連射モードにしておいた御蔭である。連写のできない、姫君のカメラではこうはいかなかっただろう。
 何れにしろ、撮れていることが分かっていれば、自棄っぱちにならずともよく、もう少し楽しいクルージングができたのにと、私の短気を恥じることになった。でも、これは嬉しい誤算というやつである。

001クジラ全体

002クジラ潮吹き

003クジラ船に近寄る

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