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2017-11

北海道の花旅・その20 - 2012.09.08 Sat

アポイ岳 (あぽいだけ・811m)
 昨25日、一夜の宿とした『道の駅・みついし』からアポイ岳の登山口まで30km内外も離れているので、この分、今朝は余計に走らなければならない。しかし、本日の登山の目的が花の撮影なので、早朝の光線の弱い時間帯では逆に不向きなので、この距離もそれほど気にはならず、ユックリと出発すればよかった。
 そして登山口に着いたのは、6月26日の8時頃であった。
 この登山口には2ヶ所に大きな駐車場があり、流石は北海道でも有数の人気を誇る山だということが分かる。だが、この日、ここに駐車してある車は疎らで、私が想像していたよりは静かなただずまいであった。
 昨日あたりから北海道、いや太平洋側の天候は回復傾向にあり、本日も上空は青空が広がっている。登山口はアポイ岳の西側に位置するので、まだ太陽は顔を覗かせてはいないが、稜線ではこれが眩しく輝いていることを容易に想像できる華やいだ雰囲気がここでも感じることができる。
 このため、身支度も半袖の上に薄手の長袖のTシャツを重ね着しただけの軽装で済ませることにしたが、ここで姫君と小さな諍いがあった。着衣のことではなく、原因は靴であった。
 私は、北海道に来てから1度も登山靴を履いていない。運等靴かゴム長靴で通してきた。だが、姫君が「ここは岩のゴツゴツした場所もあるので登山靴を履くように……」という。実は、北海道に来る前に登山靴を新調、これを持ってきている。これでもいいのだが、新しい靴を履くのには何か躊躇させるものがあるのも事実である。
 結局、新しい登山靴を履くことになったが、歩き始めるとバッタン、バッタンと極めて歩き難かったが、そのうちに慣れるだろうと思って歩き始める。これが、8時21分のことだった。
 アポイ岳を知ったのは、一昨年、北海道に来る直前であった。何気なくみていたテレビが、「アポイ岳は花の山だ」と紹介していたからだ。これで得た知識により、本来は北海道在の百名山9座のみを登るつもりが、このアポイ岳も追加したという経緯があって、この山は本日で2度目ということになる。
 この山は、避難小屋がある5合目までは面白味のない樹林の中ばかりで、目を楽しませるものは何もない。何もないというのは少し大袈裟で、イチヤクソウだけは咲いていた。でも、一昨年に見たアリドオシは見落さないように注意して歩いたが、まだ時期が早いのか、まったく咲いていなかった。こんな単調な歩きでも、身体への負担はあったとみえて、早々に長袖のシャツは脱ぎ、半袖のTシャツ1枚という姿になった。こんなことは、2、3日前では想像もできないことだった。
 9時48分、5合目の避難小屋に到着した。ここでは長く休むつもりはなかったので、小屋の中へは入らなかったが、ここには1人が休憩していたようだ。
 ここで給水しただけで、直ぐに出発する。
 ここからは、これまでの樹林の中の土の道とはガラッと代わり、岩の尾根道になってきた。こうなると新しい靴は歩き難いだけでは終わらなかった。踵とか、あちこちが痛くなってきた。靴のために足が痛くなるということは、ここ暫くは経験したことがないことなので、その苦痛たるや耐えられるものではなかったが、引き返すわけにもいかないので『そのうちに、靴に慣れてくるだろう』と思って我慢するしかなかった。
 この痛さも花でも多くあれば、多少は気を紛らわすことになっただろうが、それが意外に少なかった。前回は、避難小屋の前にイブキジャコウソウが咲き乱れていたが、先ほど、こここには何もなかったのである程度は覚悟していたが、こうも少ないとは思ってもいなかった。それでも、所どころに少しは咲いているので、これを大事に写しながら登っていくことになった。
 10時40分、馬ノ背と呼ばれる尾根が90度曲がっている、いや、今歩いて北尾根から頂上に通じる別の尾根に乗り換える場所に到着した。
 ここからは、花の種類が増えてきた。この山だけにしか咲かないというアポイアズマギクが顔を見せ始めた。前回には、アポイアズマギクであっても、ミヤマアズマギクと変わらぬピンク色のものが少数だけ咲いていたに過ぎなかったのが、こんなにあちらこちらに咲いているとは思わず、これには大いに感激、今までの不作を忘れさせるに充分であった。
 ここからは頂上に向かっての急登が始まるが、キンロバイ、ミヤマオダマキなどなどの花を撮影しながら登っていくので、歩く時間より休憩(撮影)する時間の方が長くなるので、身体への負担を感じさせるところまではには至らなかった。
 こうして11時52分に、頂上に到着する。所要時間は3時間30分、コースタイムの2時間30分に比べると1時間ばかり余分にかかった計算になる。
 ここで昼食を済ませ、幌満花畑経由で下山することにするが、このお花畑での収穫も前回に比べると寂しい限りであった。でも、アポイアズマギクの余韻が尾を引いていたためか、それほど不満はなかった。
 ただ、足の痛みだけは、ますます激しくなってきて、15時52分、登山口に帰り着いたときには、この靴は2度と履くものかと固く心に誓っていた。
アポイ岳の中腹から太平洋を見る

新しい登山靴
 北海道に出かける前、軽登山靴を新調した。
 私自身は、今まで履いていたもので充分に通用すると思っていた。しかし、姫君は、「知らない土地で底のすり減った靴では危険だから……」と無理矢理に山用品店に私を連れて行った。
 2、3足、私の足に合うサイズのものを出してもらって、その中から気に入ったものを選んだ。靴の中に靴紐1組が余分に入っていたのに気付いて、それを告げると、「実は、この靴は私が気に入り、私が買うつもりで靴紐も自分好みのものに替えた」とのことで、中に入っていた靴紐はオリジナルなものだとのことだった。
 専門家の御眼鏡に適ったものを選ぶとは、私も案外に目利きだと悦に入った。こんな会話を交わすうち、この靴が如何によいかを店長が語り始めた。
 この靴は1枚の革から作られているので、継目は後ろの踵の部分のみだけだという。そう言われて、ジックリと眺めてみると、前、横、何処にも繋いだところはおろか、縫い目すらない。
 また、これだけ白い色は、他では見られないものだともいう。この色に関しては、私が気に入り、この靴を選んだ重要なポイントになっていたので、いい買い物をしたと喜んで帰ったことは改めて述べるまででもなかった。
 そして、アポイ岳で、この靴を初めて履いたところ、歩き始めて直ぐに違和感が襲った。
 靴の感触が重登山靴を履いたときに似ていた。
 重登山靴は、靴底が曲がらないように鉄板でも入れてあるかのように真っ直ぐになっている。これは底が曲がるとアイゼンを着けたときに外れ易いため、これを防止する意味合いがあるようだ。理屈はともかく、重登山靴を履いて平地を歩く時、靴底がそらないために、踵が地に着き、次に靴底が後ろから前へと順々に移動しながら着地し、最後に爪先が着いて蹴り出すというスムーズな動きができず、踵が接地した次の瞬間、足裏全体が一度に地面に着くので、ペッタン、ペッタンとぎこちなく歩かざるを得なくなる。
 軽登山靴の靴底に重登山靴のそれを使ってあるということは考え難い。となれば、次に考えられることは靴を形作る表面の革が1枚革で出来ているため、遊びがなくて靴底がしなうまでに至らないということが考えられる。
 私に、もう少し脚力があれば、無理にでも表革を変形させながら歩くことができたであろうが、悲しいかな、今の私にそんな体力は残っていない。このため、靴に振り回されて歩く結果が、こうなるのだとの結論に達した。
 次に、この日、身に付けた靴下は、白の化繊のものだった。昔、初めて登山靴を履いたときには、この靴下に毛糸の靴下を重ねていた。それが登山靴の内部加工の技術が進歩して、靴の内側に毛糸の靴下を穿かせたような柔らかい構造になったので、毛糸の靴下などは必要としなくなった。このような作りの靴に慣れていたので、靴下の重ねばきするなどという発想はなくなっていたのだ。ちなみに、今では重登山靴を履くときでも靴下は薄手のもの1枚だけだ。
 新しい靴も、当然、インナー加工は施してあったが、これが外の革に負けていたのだと思う。
 アポイ岳から下山したときには『金輪際、この登山靴は履くものか』と思っていた。だが、上述のごとき原因に辿り着くと、『効果的な対策を講じれば克服できるかもしれない』と考えるようになる。
 次回からは靴下を重ねばきしたり、擦れて痛い踵の上にはバンドエイドで保護したりすると、アポイ岳で味わった苦しみからは解放された。でも、北海道でだいぶ使い込んだに関わらず、表革にはまだ皺がよっていない。
 こんな状態なので、未だ履き馴らすところまでは到達していない。これでは、靴が慣れるのが早いか、私が山へ行けなっているほうが早いか、残り少ない時間の競争だと思う。
 いずれにしても、登山靴は自分の体力に似合ったものを選ばなければならないことを最後の最後に学ぶことになった。
新しい登山靴

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