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2017-10

百名山の思い出・その14 - 2012.05.01 Tue

北岳(きただけ・3192m)
 1998年7月の奥穂高岳山頂での標高談義で北岳に興味を持ち、この山を10月10日ならびに11日の体育の日の祝日と振り替え休日の連休を利用して登ることにした。
 北岳は南アルプスに属すが、私たちは南アルプスに足を踏み入れたことはなく、これが最初になる。また、最初といえば、私たちがテント装備を揃えて、初めてテント泊を実施するという、これまた記念すべき山行きとなった。
 メンバーは、隊長のヒロシちゃん、鹿島槍ヶ岳行きのシカちゃんとデンちゃん、初参加のヒデちゃん、これに姫君と私の総勢6名である。
 ルートは次を計画していた。
 第1日目、広河原から大樺沢沿いに歩いて大樺沢二股、ここから右股で稜線に出て肩の小屋(泊)。
 第2日目、肩の小屋から頂上をピストン、草すべりを通り、白根御池小屋を経由して広河原に戻るというものであった。
 なお、この山行記は、鹿島槍ヶ岳と同様にデンちゃんが書き、『ヨレヨレ新聞』第5号に掲載してあるが、これを参考に改めて書き上げる。
大樺沢二股での休憩
 10月10日、午前2時に事務局(姫君のスナック)を出発した。車はヒデちゃんのハイエース、運転もヒデちゃんだった。
 私は、ほどなく眠りについたようで途中のことは何も記憶に残っていないが、車は中央自動車道を走り、甲府昭和ICで降りて、一路、広河原に向かったようだ。
 7時30分頃、広河原に到着するが、駐車場は車、車でいっぱい。駐車する余地は残っていなかった。結局、橋を渡った右岸側の河原に設けられた臨時の駐車場に車を停める。
 持参の弁当を食べ、身支度を整えて、8時過ぎに河原の駐車場を後にして北岳に向かって出発する。
 10月10日は、かっては東京オリンピックの開会式が行われた日であることでも分かるように、晴れの特異日だとのことだ。本日もこれを裏切らずに真っ青な晴天で、ここからも遠くにある北岳の頂がハッキリと見てとることができた。
 大樺沢沿いの登山道には多くの登山者が北岳に向かって歩いており、私たち6名もこの中に混じって彼らと抜きつ抜かれつして進んでいく。抜きつ抜かれつというと格好がいいが、私たちが歩いているときにはもっぱら抜かれ、彼らが休んでいるときには私たちが抜くという状態で、早い話が抜かれっぱなしというのが正しい表現だろう。
 最初の大休憩は大樺沢と白根御池小屋へと道が分かれている三叉路の林の中だ。写真を見て確認すると、このときの時刻は8時45分。広河原の吊り橋で記念写真を撮ったのが8時15分だったので、ここまで30分を要している。今なら、1時間、2時間は歩きっぱなしが普通なので、当時、いかにノンビリと歩いていたかが分かる。
 ここで充分に休憩を採ってから出発する。大樺沢の左岸に沿って作られた登山道を歩いて行くのだが、この大樺沢というのは穏やかな沢で、途中、滝などはないので高巻く個所はなく、登山道もなだらかだ。それでも沢上に向かって歩くので、何がしかの登り勾配である。当時の私たちには、この勾配すら負担になったようで、登山道が右岸に移って間もなく、再度、休憩となる。それも、こんな所では誰も休まない狭い登山道脇に無理に腰を下ろしたのだ。もう少し歩けば、左岸に渡り返す橋の袂が絶好の休憩場所になっていたことが分かったが……。
 11時25分、大樺沢二股に到着する。
 ここは大樺沢が二股に分かれている所だ。真っ直ぐ進むのが左股、右に曲がっているのが右股という、登山道の要所でもある。現在はシーズン中、ここに簡易トイレが設置されるが、この当時はそんな洒落たものはなかった。
 ここで大休憩になったのはいうまでもない。ここでヒデちゃんが、膝が痛いので先へ進むのは無理だから、白根御池小屋で泊まり、明日、下山してくる私たちを待ち、合流するという。ヒロシちゃんが持参していたトランシーバーの子機を連絡用に渡して、ヒデちゃんは白根御池小屋へ、私たちは右股沿いの登山道へと二手に別れる。
 ここから北岳主稜線(小太郎尾根分岐)までは急登であった。本日の私は初めてのテント泊なので、ザックの中にはテント、シュラーフ、食料品などが詰っていて、これまでの小屋泊まり装備とは段違いの重量になっている。これを担いで、ここの急坂を登り上がるのは大変な負担であった。歩き始めて直ぐにヨレヨレになってしまい、何度となく隊長のヒロシちゃんに休憩を求めるが、こんな要求に応じていたら、何時、小屋に着けるか分からないので、なかなか「休憩」の声がかからない。こんなことは分かっているが、身体がいうことを聞かないので仕方がない。最初のうちは、「鬼、鬼隊長」と小声で呟いていたが、辛抱しきれず、勝手に休み出す始末だった。このとき、歩き始めて暫くすると、ヒロシちゃんが少し上の登山道の端に腰を下ろして私を待っていてくれた。「バカが……、重い荷物を背負ってくるからだ」といっているように、ニコニコと笑っていた。
 15時30分頃、主稜線の直ぐ下の草すべりへの分岐にやってくる。この時間帯で、この高度まで来ると寒くて仕方がなく、私はスポーツシャツの上にカッパを羽織る。姫君はフリースの上着を、その他の者も何がしかの上着を羽織り、寒さ対策を講じる。
 稜線に出ると風が強くなり、一層、気温も下がったように感じる。それでも身体はまだいいが、軍手だけの手先が冷たくて仕方がない。風を通さない手袋が欲しいところだったが、そんな備えはしておらず、冷たさに耐えることにする。
 16時30分、ようやくのこと、肩の小屋に到着する。
 ヒロシちゃん、シカちゃん、デンちゃんの3名は小屋の中に入ったが、テント泊の私たちはテント場へと別れる。
 初めてのテントの設営だが、フライシートのない形式のテントなので、2本のポールをテントに通せば、それで出来上がりと簡単なので、戸惑うこともなくテントを立てることができた。
 次に空気マットを膨らませるのだが、何しろ私は疲労でクタクタだ。なかなか膨らまないのに苛立ち、ペシャペシャだったが、そこで作業を打ち切りその上に横たわるとすぐさま寝入ってしまったようだ。どれくらいまどろんだか、目覚めたときには辺りは真っ暗だった。夕食は何を食べたか記憶にないが、こんな時間からお湯を沸かして作ったとは考えられないので、パンか何か非常食のようなもので済ませたと思っている。
 テントで初めて寝た感想は、直接、地面に寝ているようで、あまり良いものではなかった。最初はこんな具合であったが、これが慣れてくれば、例え、雨ふりであろうと、雪が降っていようが寝心地は良くなってくるので、慣れというのは不思議というか、恐ろしいものだと思う。
富士山と日の出(テントは私たちのもの)
 翌朝、辺りが白んでくる前に目覚めた。
 昨日、あれだけ疲労困憊であったが、1夜、ぐっすり寝たためか疲れは残らず、さわやかな目覚めであった。
 小屋から起き出してきたヒロシちゃんたちと一緒に御来光を見ることになった。写真の時刻を確認すると、それは5時40分であった。前日同様、本日も天気は良く、富士山も雲海の上に上半身を覗かせていた。この富士山の東側から太陽が昇り始めた。この後、何度となく山の上で日の出を見ているが、ここの日の出も最初の富士山で見たときの御来光と並んで何時までも記憶に残る綺麗なものであった。
 7時45分、空身で北岳へ向かう。
 肩ノ小屋は、標高3000mの所に建っており、ここから北岳の頂上までの標高差は190m余に過ぎないため、岩場の道ではあるがそれほど苦労することはなく、前日とは大違いだった。
 30分後の8時15分には、多くの人たちで混みあう山頂に到着する。
 北岳の頂上は、思った以上に南北に長かった。まず最初に、三角点の前で富士山を背景にして記念写真を撮ったが、これは逆光となって出来上がりは良くなかった。次いで、北岳と大きく書き入れた大きな標識板の前、山梨百名山という標柱と色いろな場所で写真を撮った。
 このとき、地元の奉仕グループがきていて、標識の禿げた文字部分のペンキを書き直したり、標柱のニスの塗り直しを行っていた。これを姫君が手伝ったが、今になっては良い思い出の写真となって残っている。
 頂上には、3、40分の滞在で、充分に満足して下山に取り掛かる。
 肩ノ小屋に立ち寄り、預けてあった荷物をもらい受けて、9時30分、広河原に向かって歩き始める。
 草すべり分岐までやってきた。当初の予定では、ここから草すべりを急降下して白根御池小屋へ行く予定であったが、この道はキツイということが分かって、往路と同じ大樺沢二股へ回ることをヒロシちゃんが決定。トランシーバーでヒデちゃんと連絡を採ると、彼は広河原へ直接降りることになり、広河原で合流することが決まる。
 もう後は、降るだけだ。しかも、勝手も分かっているので、順調に歩くことができた。
 14時15分、吊り橋の手前にある広河原山荘に到着すると、ヒデちゃんが笑顔で出迎えてくれた。こうして彼と合流することができ、野呂川の河原に降りて、ここでコーヒータイム。互いに起こったことを報告しあい、無事を喜んだ。
 このように小さいアクシデントはあったが、北岳登山は大過なくフィナーレを迎えることができ、メデタシ、メデタシで幕を下ろした。

北岳頂上・その1

標柱のニス塗りを手伝う

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