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2017-10

丸山①(まるやま・650m) - 2012.03.12 Mon

鈴鹿の山にも春の訪れ
 今年は雪が多くて鈴鹿の山々も春の訪れが、幾分、遅れているようだ。
 昨年は2月26日に私たちが藤原岳山域の丸山を訪れたときには、フクジュソウもセツブンソウも咲いていたが、今年は3月4日に同じ場所を訪れた山友の報告ではどちらにもお目にかからなかったとのことだった。
 でも、3月も中旬に入ったという11日、如何に遅くとももうそろそろ咲くころだと満を持す思いと天気の予報もよかったことが相俟って、久しぶりに山行きとなった。だが、残念なことに姫君は風邪をひいて熱があるということで、自宅待機を余儀なくされた。
 10時少し前に登山口のお墓の駐車場に到着してみると、既に多くの車で駐車場は満車で、お墓の中にも2台ばかりが停めてあった。多少、気が咎めたが、私も2台に倣って墓の中へ車を駐車場の代わりに利用させてもらうことにした。
 身支度を整える段になって靴を何にするか迷う。このルートでは、頂上直下で地面がぬかるみ、靴が泥だらけとなることが往々にしてあるからだ。このため、用心のためにゴム長靴を履くことにした。
 今年は体力の衰えを自覚するためか、山へ出かけるのにも二の足を踏み、このところずっと山とは御無沙汰になっている。前回の山行きは、1月11日の三峰山だったから、まる2ヶ月の間、山から遠ざかっている。このため、花の期待はあるものの、体力面の不安は大きく、いつものようにルンルン気分というわけではなかったが、とにかく、歩き始める。
 墓を通りこして水道施設の横手をフェンス越に沿って通り越して杉林の中へ入っていく。ここは登山道として造られたものではなく、この先に神武神社という村の氏神を祀った神社があって、この参詣道として使われてきた。だが、神社が移されてからは通る人もまばらとなって、今となっては踏み跡も薄くなって廃道化している。昔の人が歩いていたので、今でも難はなかろうと誰でもが思い、私もそのように考えていた。が、本日は違っていた。昔の人は健脚だったことを再認識させられたほど、今日の私には堪えた。ちなみに、神武神社は、現在、集落内に下ろされていて、昔の場所には小さい石碑が立てられているので、そこに神社があったことを辛うじて知るという状態である。
 たいした傾斜でもないのに、脚力の衰えた分をカバーするため、余計に力を込めて踏ん張って歩くので脹脛(ふくらはぎ)は引っ張られて痛みを感じるし、膝の調子も思わしくない。神社跡にやってきたときには既に脹脛はパンパンに張っていて、明日の筋肉痛が今から心配されるほどだった。
 今ではこんな弱音を吐いているが、最初、このルートを歩いたときにはこの神社跡を経由する道は分からなかったので、尾根へ直登している。このルートはズルズルと滑り落ちそうになるのを樹木を手掛かりとして重力に逆らいながら登らなくてはならなかった。そんなことを何度か繰り返したのちに今のルートを見付けたときには「こんな楽なルートがあったのか」と思ったものだ。その楽なルートが、今では明日の筋肉痛を心配させるほどの過酷なルートに変わってしまったことに、むしろ驚きというか、不安を自覚せずにはおれなかった。
 神社跡を通過した後も暫くは滑り落ちそうになる急登をこなさなければならなかった。
 それまで確たる踏み跡がなかったのが、踏み跡がシッカリとして来て、さらにそれが道と化してきたときには、尾根が直ぐ手前に迫っていた。このころには勾配も緩やかになり、それまでに痛み付けられていた身体が急に解放されたように楽になった。
 この尾根が孫太尾根と呼ばれている。
 この尾根を左手見えているピークへ向かって登ると、そこが標高387mの神武というピークだ。最初の頃は、このピークを踏んでいたが、そのうちに巻き道が付いていることを知って以後、無意味に労力を使わないように巻き道を使うようになっている。
 したがって、本日も尾根を乗り越して真っ直ぐ進む形で巻き道に入り、この先の尾根へと歩いて行く。要するに、神武を頂点に孫太尾根は鈍角に曲がっているため、真っ直ぐ進むことはここにできる三角形の底辺を進む形になるのだ。
 ここから暫くは尾根が広がるため、最初のうちは戸惑ったものだ。そのうち、左手の下には青川が流れていて、尾根は青川に沿った形になっていることを覚えてからは不安がなくなっていった。
 いずれにしても、ここまで来ると尾根に乗る前のような急登の場面は影をひそめるので、あれだけ痛み付けられてヒイヒイと悲鳴を上げていた足もあまり文句を言わなくなっている。我ながら現金なものだと改めて感じた。
 樹林から抜け出し、明るい尾根に飛びだした。ここからは対岸、青川右岸側の銚子岳方面の視界が開けている。藤原岳の斜面の一部には雪が残っているが、銚子岳のほうは既になくなっているようだった。
 ここからはゴツゴツとした岩が顔を見せるようになり、柔らかいゴムの靴底では尖った岩の頭を踏むと痛く、長靴だとこれが嫌なところだ。この痛い岩場2ヶ所ばかりを通過すると、再度、樹林の中へ入っていく。
 この樹林を抜けたところが丸山頂上への取り付きだ。
 ここまでくれば、あとはこの岩と土のミックスした急斜面を、どのように登り上がって行っても、いずれは頂上に着けるので登りの場合は気が楽だ。何時もは、この取り付きがぬかるんでいて滑り易いのでてこずることがあるが、幸いなことに乾いている。
 さて、登り上がるかと一歩踏み出した足元に、白くて小さい花が咲いているのが目に付いた。直感的にセツブンソウだと思って目を近付けると、やはりそうであった。ここに咲いているのを気付いたことはない。本日はラッキーだと思い、辺りに視線を走らせると1輪どころではなかった。狭い範囲の中には両手の指では足らないくらいの数のセツブンソウが咲いていた。これだけ咲いておれば、写真に撮らない手はないと思い、ザックを降ろす。ついでに、初めての水分補給をしてから、撮影を開始する。
 これを撮り終えてザックを担ぎ上げる。このとき、耳元で囁く声が聞こえてきた。「目的は達成した。帰ろうか?」との声が……。一時は、この悪魔のささやきに引き込まれそうになったが、快晴無風の好天だったこともあって、この誘惑を振り切って上へと向かって歩き始める。
 途中にある大きい岩場の手前で、今度は黄色い花を見付ける。いわずと知れたフクジュソウだ。花をいっぱいに開いているが、どうも盛りを過ぎた感じのものだった。傍らのもう1輪はさらに程度の悪いものだった。この調子なら頂上に行けば、いっぱいに咲いていることが予測できる。ここで、この程度の花を撮る必要はないと自分に言い聞かせて、これをパスして先に進む。
 頂上の手前で下山してくる2人連れに出会う。「頂上は、花盛りでしたか?」と尋ねてみると、意外なことに「少しだけ」という答えが返ってきた。何時も見たことのない所にあれだけ固まって咲いていたし、ここまで来る途中でもポツン、ポツンとセツブンソウが見られたことからすると不思議な気がした。
 頂上広場に到着すると、2人連れの言葉がそれほど的外れではなかったことが理解できた。盛りのときには咲いている場所では足の踏み場がなくなるという表現も満更に嘘ではないほど咲くが、目を凝らして探さないと見付からない状態であった。フクジュソウにいたっては、セツブンソウより少なかったのには考えてもいなかった。見付かったフクジュソウは、咲いてから日が経った感じのものが多いのも意外だった。でも、蕾のものも多く、盛りはこれからなのかもしれない。
 こんな状況の中で、予期せぬ花を見付けた。
 その花は、ミスミソウだ。この花を見るのは、例年ならもう少し後になってからだから今年は早いというか、運が良かったことは確かである。
 これだけの収穫があれば、本日、ここへきた甲斐があると、大喜びしていると、雪が舞い始めた。午後からは曇りだとの天気予報であったが、雪が降るとまでは言っていなかった。いずれにしても、雪が降りだすと厄介なことに巻き込まれないとも限らないので帰ることにする。
 降り始めたのはいいが、やっぱり厄介なことになった。
 降りていくが、どうも様子が変である。そのうちに青川の方向に降りているらしいことに気付く。慌てて、左手にトラバースして方向を修正するが、これが行き過ぎてしまい、また、右手へとトラバースして前方の尾根のピークに照準を合わせ直してヤレヤレであった。
 以前、ここで雪が降り出したことがある。みるみるうちにセツブンソウやフクジュソウの上に雪が積もり、普段は見ることのできない珍しい状況に置かれた花の写真を撮ることができた。これに喜んでいたら本日と同じように降る方向を間違えた。悪いことに、ガスが濃くて視界は悪くて方向が定まらないので、考えられないような軌跡を辿ったことがある。だが、本日の視界は万全なので方向を修正するのにそんなに苦労することはなかったのが、不幸中の幸いだといえた。
 こんなアクシデントもあったが、14時過ぎには多くの収穫を持って登山口に戻ってきたが、収穫の中には芳しからざるものも含まれていた。足の疲労と膝の軽い痛みである。ちなみに、この調子では明日が心配だと思っていたが、今日、こうして山行記を書いているが、膝の軽い痛みは消えないが、筋肉痛の症状は出ていない。

ミスミソウ①

ミスミソウ②

● COMMENT ●

早速 伺わせていただきました

見事に まとめられた ご立派なブログに感じ入りました。
 セツブンソウ 福寿草 ミスミソウ 出会えて良かったですね。
孫太尾根コースは 僕も1度 酷い目にあったことが有ります。
多分 想像ですが 丸山の下り急ですよね・・・
そこで間違って楽な尾根を辿ってしまいセメント採掘場へ出た時には焦りました。・・・ヘッドランプ持参してて良かったです。

 りょう62さん、おはようございます。
 早速、おいでたまわり、拙いブログを見ていただいて恐縮に存じます。
 山で道を間違えるととんでもない目に遭うことがあります。昨日など、私としては可愛いものです。もっと酷い目にあったことは何度もありました。
 昨日は単身だったこと、ここでは過去に大変な思いをしたことがあったことなどで、気を付けて降りたはずだったのに、お恥ずかしいかぎりです。

2ヵ月ぶりの山行きとは三太夫さんにしては間があきましたね。
おれでもセツブンソウ、フクジュソウ、ミスミソウ等が見られてよかったですね。
三太夫さんの花の写真の美しさにはいつも感心します。
昨年は花が遅かったと思いますが、今年の花は平年に戻ったのでしょうか。 
そのうち私も花を求めて出かけてみたいと思います。

 モタさん、おはようございます。
 冬のうちは寒くて山へ行くのが億劫になってきました。昔は零下10何度の世界へ喜んで飛び出していたのが寧ろ不思議に思われるようになっています。モタさんは、この私に比べると実年齢が逆転しているようで、大兄の元気さが羨ましく感じます。
 私は美的センスにかけるので、風景写真の出来はよくありません。これに比べると花はそれ自体が美しいので私の欠点を補ってくれるので撮っているともいえます。お恥ずかしいかぎりです。


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