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北海道旅行・その1 - 2012.03.07 Wed

タンチョウ
 3月3日から6日の4日間、阪急交通社(trapics=トラピックス)が主催する『冬の決定版 北海道4日間』というツアーに参加した。
 このツアーの主眼は、3日目に組み込まれている流氷砕氷船『オーロラ』に乗船しての流氷で覆われたオホーツク海をクルージングすることらしいが、私の関心はこれではなくて別にあった。
 それは、旅の2日目に予定されていた釧路・鶴居村にある給餌場に集まる野生の丹頂鶴(タンチョウ)を見ることだった。
 一昨年の『北海道の百名山の山旅』で写し損ねた花の補充撮りをするために、今年の6月頃、北海道再訪の予定を立てている。だが、それまで私の頭の中ではタンチョウが渡り鳥で夏場は北へ帰ってしまっていると思い込んでいたことや、「白銀の世界に舞う丹頂鶴に感動」というトラピックスの宣伝文句に惹かれたことなどが相俟(あいま)って、このツアーに応募することになった。
 バスガイド嬢の説明で、「北海道のタンチョウは渡り鳥ではなくて留鳥で、冬でも夏でも1年中、北海道で生活している」ことが分かった。だが、夏場には広大な釧路湿原に散らばって餌を求めて暮らしているため、タンチョウを見られる確率は極めて低いというのが実情らしい。反面、湿原が凍結して餌が取れなくなる冬場に給餌場に集まってくるので、この季節のほうがタンチョウを見られる確率が高くなるという理屈のようだ。ちなみに、3日目に立ち寄った濤沸湖(とうふつこ)では、従前は多くのハクチョウが集まってきていたが、口蹄疫予防のために給餌を中止、観光客の餌やりも禁止したところ、集まるハクチョウも激減しているとのことだった。
 タンチョウは、鳥としては大型であり、近くなら普通のレンズでの撮影も可能だろうが、何分、相手は自然の中を生きている。私が、いかに優しく、いい男だとしても彼女らが近寄ってくるとは限らない。このため、撮影を失敗させないためには、ある程度の倍率の高いレンズが必要だと考えた。こんな折、ニコンのレンズをネットで眺めていると、18~100mmおよび18~200mmのズームレンズがあることが分かる。普通、高倍率レンズは大きく(長く)なりがちだが、これらは私が使っているレンズと大きさは変わらないことが分かり、後者を購入することになった。なお、タムロンにも18~300mmという製品が出ており、価格もニコンのものと大差なかったので食指が動いたが、結局、ニコンに落ち着いたという経緯があった。購入後、タムロンのマクロ(マイクロ)レンズの焦点が狂っていたということがあったので、タムロンを選ばなかったことは正解だったと、このときは胸を撫で下ろした。
 まだ、問題はあった。
 これまで花の撮影が主であったので、鳥などは見向きもしなかった。花は小さいが自分では動かないのに対して、鳥は花に比べれば大きいが撮影者の意に反して自分の意思にしたがって動くので撮影するのが難しいことは写したことがなくとも分かる。
 したがって、北海道へ出かける前に鳥の撮影の練習する必要があった。このため、鳥が集まるといわれる名古屋市の藤前干潟、弥富市の愛知野鳥園などを訪れたが、条件が合わなかったのか、鳥はいなかった。仕方がないので、自宅に近い名古屋城の御堀に行ってみると、ここにはカモとか、サギやカワウがいた。なお以前、ここにはハクチョウもいたが、冬場は他へ移動するのか、これは見かけなかった。こうしてみると、何も遠くへ出かけなくとも、最初からここへ来ればよかったと思いながら、初めての鳥の撮影を試みた。水面を泳ぐ鳥も撮るのもいいが、飛んでいる鳥も写してみたいと思って挑戦してみた。だが、いざそのときになると、鳥が飛び立つ瞬間、撮影者の私自身が驚いてしまってシャッターチャンスを失うし、動きが早いとファインダーの中に姿を捉えるのもなかなか難しいことが分かる。
 こうして、満足ができるほどの成果は上がらなかったが、それなりにタンチョウの撮影に備えた。とはいうものの、あくまでぶっつけ本番の色彩が強く、不安は残ったが……。
 3月4日、旅行の2日目。
 阿寒湖畔のホテルで朝を迎え、ここからバスで1時間余を走って釧路湿原に近い鶴居村にある給餌場へ向かう。
 ここに到着すると、既に何台ものバスが到着していて、これらの乗客と思しき人たちが大勢いた。真っ先に気になったのがタンチョウの存在であった。バスガイド嬢の「あぁ、いるようですね」の言葉を聞いて、一瞬、虚脱感に襲われたが、直ぐに我に返り、カメラと既に足を伸ばしてあった大型の三脚を肩に担いでバスを降り、給餌場の方向へと歩みを速めた。
 給餌場と観光客を分け隔てている柵が目に映ったときのことだ。「あぁっ!」という観客の声が聞こえてきたのと同時に低空飛行する大型の鳥が目に映った。冷静になって、ただ今、起こったことを分析すると、タンチョウが飛び去っていったことが理解できた。でも、それがタンチョウだったかは目では確認できず、頭の中でそうだと思っただけである。そんな一瞬の出来事であった。
 柵の手前まで行ってみると、柵の先にはサッカー場ほどもあろうかという真っ白の雪の広場が拡がっていたが、そこには白以外の色は何1つとして見当たらなかった。タンチョウは1羽もいないどころか、他の鳥も動物も何も見えず、ただ無情に雪の白さだけが際立っているばかりだった。これをみた途端、これまでの高揚した気分が一気に萎んでいき、嫌な感覚に包まれていった。
 「餌付けは終わった」とか「午後になれば、また、集まってくる」という観光客の声が耳に入ってくるが、心の中でこれを打ち消しながら三脚にカメラをセットして白い原っぱにレンズを向けて置く。鳥を撮るカメラマンなら、こんな場面は慣れているだろうが、何時になったら戻ってくるか分からないようなものを、ただただじっと待つという経験は、私にとっては初めてのことである。最初のうちは、『そのうちにタンチョウが舞い戻ってくる』という確信のようなものがあったが、1分が経ち、2分が経ち、そして5分も経過してくると、こんな確信は脆くも壊れて、『本当に、再度、タンチョウが来るだろうか?』という猜疑心のほうが頭をもたげてきた。
 だいたい、ここのタンチョウの観察時間は20分余が充てられているに過ぎない。こんな時間は直ぐに過ぎていくが、私だけが残るというわけにはいかないということは分かっている。こんなことを考えていると無性に腹立たしくなってくるが、こんな怒りは誰にもぶつけるわけにはいかず、諦める踏ん切りに使うことにして三脚を畳む。そして、後ろ髪を引かれる思いを振り切ってバスに向かって歩き始める。
 こんなときに後ろから「ねぇー、ちょっと待ってよ」という甲高い姫君の悲鳴にも似た叫び声が聞こえてきた。振り返ると、姫君が声にならない声を上げているようにみえた。そして姫君の指先を視線で追うと、何と、そこにはタンチョウがいるではないか。何時、舞い降りたか。私は、その瞬間を見ていないが、今まで何もない真白な雪の上に3羽のタンチョウがユックリと優雅に歩いているのが目の中に飛び込んできた。
 慌てて引き返すが、三脚の足を引き伸ばして立てる時間的な余裕はない。でも、とにかくレンズをタンチョウに向けて連写していた。
 ひとしきり写すと、ある程度は冷静さを取り戻すことができたようだ。すると、タンチョウまでの距離が遠過ぎることが悔やまれてくる。この柵からタンチョウまで30mくらいあるだろうか、いや50mだろうか……。いずれにしても、レンズをいっぱいに引き出して200mmにしているが、これでも足りない感じだ。300mmを買えばよかったと、一瞬、タムロンのことが頭をかすめたが、そんなことはいっていても始まらないことに気付き、また、夢中でファインダーを覗きこんでいた。その後、バタバタとタンチョウが集まってきて、その数は10余羽に膨れ上がっていた。
 こんな具合であったが、曲がりなりにもタンチョウを見て、写真に残すこともでき、今回の旅行の成果は充分に上がったことを喜んだ。

タンチョウ①

タンチョウ②

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