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2017-10

ワカンの由来考察 - 2012.01.15 Sun

 本日の朝日新聞6面(経済)の片隅に『はやりもの』というコーナーがあり、ここに次のような記事が写真とともにあった。
 『スノーシュ―』――ふかふかの雪の上でも足が埋まらず、すいすい歩けるスノーシュ―。つけはずしも簡単だ。日本古来の和かんじきに対して、洋かんじきと呼ばれる。IBS石井スポーツ名古屋店では、税込み1万8千円から3万1500円まで10種類を用意。金属製の登山家向けもあれば、プラスチック製の初心者向けもある。スノーシュ―歴8年という店長さんは「スキーのような技術はいらず、小回りが利く。雪化粧した森のすばらしさを手軽に楽しんでみてはいかが」――
 これを読んで、さっそく、同店に行ってみた。
 この新しい型のスノーシュ―は、従来のカンジキとスノーシュ―とアイゼンをミックスしたような作りと見受けられる。また、プラスチックでできているだけに、なるほど軽くて使い勝手も良さそうである。また、前の部分にはアイゼンの歯のようなものも付いているため、急斜面ではキックステップ登高が可能なので使える場面も増えそうである。
 でも、これを買ったとしても、今後、雪山へ行く機会はそれほど多くはないと思われるので、私にとっては無用の長物になりかねず、購買意欲はわかなかった。
 これで新型スノーシュ―の勉強会は終わったが、この記事の中で気になった部分があった。
 それは、『日本古来の和かんじきに対して、洋かんじきと呼ばれる』という個所である。
 わが国には、古来より雪の上を歩く道具として『カンジキ(樏・橇・檋)』があり、その時代の履物(昔ならワラジ、現代なら靴)の下にくくり付けて使っていたといわれる。また、用途によって形状は異なって一定はしないが、木を丸く曲げたもの2つを繋ぎ合せて、真ん中に縄などで繋いで雪が抜けるのを防ぐ構造が一般的である。
 この形状からか、このような形をしたカンジキを輪カンジキと呼ぶこともある。日本の省略の文化からか、輪カンジキのことを輪カンと縮めて呼ぶことも多い。多いというより、輪カンが一般的に定着しているといっても過言でない。
 でも、輪カンと区別するなら四角のカンジキがあって、さしずめ『方カン』というものがあったであろうか。
 また、IBS石井スポーツが言うように、西洋式カンジキの『洋カン』に対して、日本式カンジキの和カンジキ、すなわち『和カン』が正しいのだろうか。
 私が、この疑問を持ったのは相当に昔の頃、当時の事務局であった『スナック・奈つ』で夜な夜なこんな疑問を魚にして、山仲間とグラスを傾けていた頃だった。この頃、酔っ払いの議題に『雪の斜面を下降するに踵(かかと)から着地するのが正しいか否か』などものぼり、これらを熱く語っていた。踵歩行については、山の雑誌である『岳人』にも掲載されて、一応の結論が出たが、『ワカン』論争は未解決であった。
 このため、一般的に『ワカン』と呼ぶ『カンジキ』を、私は敢えてワカンという呼称を避けて、カンジキを使用してきた。
 だが、この機会だからと思って調べてみた。
 Wikipedia(ウィキペディア)には、カンジキの種類として次のように書かれていた。
 「かんじきには、用途に応じて数種が存在する。例えば、泥水用の田下駄、雪上用の輪かんじき、氷上用の鉄かんじきなど。さらに、各地域ではその地域の地形に応じたかんじきが製作されておりその形状は一定しない」と……。
 この中で見たことも名前をきいたことのないものとして『田下駄』があったので、これを検索してみると、いろいろな形をしたものがあることが分かった。だが、これらは基本的には四角形であることが分かり、これまで胸の中でモヤモヤしていたものが一気に取り払われた。
 この田下駄の形状が四角であるのに対して、猟師などが雪上で使用していたカンジキが丸い(長楕円形)。一方は四角に対して、他方は楕円形すなわち輪っぱ型である。田下駄の四角に対して雪上用のカンジキは丸いので、輪カンジキなのだ。ただし、四角のカンジキには、田下駄という定着した呼び名がそのまま使用された結果、輪カンジキの相手が分からなくなったのだと推察できた。

朝日新聞記事

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