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2017-11

隠語 - 2011.05.13 Fri

 3.11の東北大震災以来、新聞紙上ならびにテレビ・ラジオで盛んに使用される言葉がある。
 それは、『建屋・たてや』という耳新しい名詞である。意味は、珍しくもなく、新しくもない。ごく普通に私たちが使っていた『建物』のことである。
 何故、『建物』のことを『建屋』というのだろう。
 ここからは、私の推定であるので真偽のほどは定かでないが、私はこの推定に自信を持っている。
 『建屋』は、元々、建築業者間で使用される隠語だったのを、報道関係者が格好良いとでも思ったのか、一斉に使用するようになったと考えられる。
 隠語は、その意味を知られては都合の悪いので、独自の言葉を考えて仲間内で使う言葉だ。意味を知られては都合が悪い言葉とは、非合法の業界、すなわち泥棒とかヤクザ間で使われることが多い。
 こういう非合法な社会ばかりではなく、一般の商店でも使われている場合もある。例えば、客の目の前で商品の仕入れ値を聞くわけにはいかないので、こんな場合はあらかじめ決めておいた符牒でやり取りするようだ。この他に一部を省略した言葉で簡略化するという隠語もあり、これらは一般でも多く用いられている。
 『建屋』という言葉の発生したのはどうしてだろうかと考えてみた。
 建築の世界には、元々、『塔屋=とうおく』という言葉があった。これは、屋上に建つ小さな建物のことだ。エレベーターを設置するとエレベーターを巻きあげる機械室が必要になる。これは最上階までエレベーターを引き上げるためには建物以上の高さが必要になるためだ。『屋上にある塔』の意味合いで、『塔屋=とうおく』と名付けられたようだ。
 これを教養のない若者が、音読みして『とうや』と発音するようになり、次第にこれが定着したようだ。今では、建築家の偉い先生でも、『とうや』と発音する人が多く、『とうおく』は死語化しているらしい。
 これが建物本体にも影響がおよんで『建屋=たてや』というようになったと考えられる。
 しかし、『屋上に設ける塔』なので『塔屋=とうおく』であるのに対して、『建屋=たてや』では意味がある言葉とはいえない。こういうと、『屋根がある建物』という意味だと抗弁する者が出てくるといけないので敢えて言うと、屋根のないものは建物とはいわない。構築物の範疇だろう。
 では、どのような表現が適当かを考えてみた。
 福島原発の場合、原子炉建屋とかタービン建屋という具合に使用している。個々の建物を区別する意味のようだ。原子炉の入った建物あるいは発電タービンのある建物というのは煩雑で日本人には向かないために、このような表現が用いられたと推定されるが、何もこんなヘンテコリンな造語を使用しなくとも、日本には建物を現わす『棟』という言葉が存在している。これを使用すれば問題はないはずだ。例示すれば、原子炉棟、タービン棟などである。これなら、建屋より1文字少ないので、日本人好みと考えられる。
 いずれにしても、『建屋』などと意味のない隠語を大手を振って歩かせてはいけないと考えるが、如何なものであろう。

ヒトリシズカ

《商店の数を現わす符牒》
 例えば、この地方の陶磁器関係の店の一部が使う数の符牒として、「すえものひろめ……」というのがある。「陶物(すえもの)広め……」からきているらしいが……。これを1から順番に当てはめる。す=1、え=2、も=3となる。
 客の前で仕入れ値を聞くとき、「おーい、これはいくらだった?」と。聞かれた店員いわく「えも」。するとお客の相手をしていた店員には230円ということが分かり、「仕入れ値ギリギリに勉強して500円にさせていただきます」といって商売をするのだそうだ。

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