topimage

2017-06

希少植物の保護 - 2011.05.05 Thu

 5月3日、鈴鹿の鎌ヶ岳へ通じる馬ノ背尾根を歩いていたら、年配の登山者夫婦と行き違った。
 私たちの目的が、この尾根で4月11日に初開花を確認したイワウチワのその後の様子を見物するためだったので、彼らにイワウチワの咲き具合を尋ねたところ、細君のほうが「それは尾根ではなく、谷のほうですよ」と教えてくれる。そして、2、3言のやり取りの末、「あっ、間違えました」と、鈴鹿では希少種となった花の名前を口に出す。
 そして、この花が何処で咲くかを教えてくれようとする細君の言葉を遮るように亭主のほうが、「私たちは実際に見たわけでないので詳しい場所は分かりません」という。これでは愛想がないと思ったのか、「岐阜県の山で咲きますよ」と有名な山の名前を口に出す。ようするに、鈴鹿の花の場所は教えられないので、見たければ岐阜県の山へ行けという意味だったのだろう。
 この会話を通じて、私には大きな疑問が頭の中にもやもやと湧き出でてきた。
 この亭主も、『盗掘』なる忌まわしい言葉を口にしていた。
 すると、鈴鹿の希少種の花は盗掘されるが、岐阜県の山の希少種の同じ花は盗掘されないのか。そして、鈴鹿の希少種の花の話題にするのは罪悪であるとの風潮に対して、岐阜県の山の希少種の花の話題はオープンに語られるのは何故かというものだ。
 これらの山と山の間は、それほど離れているわけではない。直線距離にすれば100km未満ではないかと思われる。地理的条件だけでいえば、鈴鹿の盗掘者が岐阜県に出かけて、根こそぎに盗掘することも可能なはずだ。これが起こらないのは、盗掘による被害は実際には少ないという仮説も成り立つ。この仮説を前提にすると、仮に希少種の花が減少するのは他に要因があるのではないかという疑問も併せ出てくる。
 ここで語られた希少種の花を私が最初に見たのは、現在、愛好家が見物に行く場所ではない。まったく違った場所で、一般の登山者が寄り付くような所でもなかった。
 ここで最初に見付けたときには、結構な数が咲いていた。残念だったのは、その多くが足場の悪い場所に咲いていて写真を撮れるような条件ではなかったことだ。次の年は、咲いてはいたが数は少なかった。そして、その次の年からは、そこに咲くことはまったくなくなっていた。最近は、ここを訪れることはないが、きっと咲いていないと思っている。
 ここに希少種の花が咲かなくなったのは、場所柄、盗掘ということは殆ど考えられず、要因は他にあったと考えるのが適切である。
 希少種といわれる植物は、元々、繁殖力が弱いものだと推定される。これを高めるには、その植物に適する条件を与えてやることが肝要だということは、門外漢の私でも分かることだ。
 ということは、鈴鹿の山で希少種とか絶滅間近というような植物があれば、その植物の調査ならびに研究を徹底的に行い、それの生育に必要な条件を作り、サポートすることが、遠回りのようだが絶滅の危機から救う一番の早道ではないかと私は思う。
 それをごく一部の原因にしかならない盗掘者に全責任を押し付けるという姿勢は、逆に絶滅への道を導く手助けをしているようなものだとの誹りを招くことになるのかもしれない。

イワザクラ

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://yore4040.blog24.fc2.com/tb.php/136-6225e797
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

御在所岳Ⅱ(ございしょたけ・1212m) «  | BLOG TOP |  » 山野草2011・その25

アクセス数

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

登山 (147)
山野草 (417)
雑文 (139)
未分類 (14)
お知らせ (6)
案内 (2)
百名山 (22)
花旅 (75)
旅行 (29)
2014 北の大地花旅 (86)
2016・北海道 (83)
2016・北海道 (1)

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する