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2017-10

東北大震災考察・その1 - 2011.04.27 Wed

 3月11日にマグニチュード9.0の巨大地震が発生。
 これにより震源地に近い東北地方は、この地震とその直後に発生した大津波により甚大な被害を蒙った。さらに悪いことに、東京電力福島第一原子力発電所が損壊して放射能を垂れ流すという人災も加わり、多数の死者ならびに行方不明者を出し、物的被害も広範囲にわたるという阪神淡路大震災を凌駕するものであった。
 1ヶ月半が経過したものの、復旧、復興の緒に就いたばかりであり、遠く離れた私たちにしても、その進行の遅さに歯痒さを感じずにおられず、被災者にかける励ましの言葉もないくらいだ。
 この一連の災害のうち、人災の原子力発電所に付いて考えてみたい。
 この事故は、地震の被害で外部電力が喪失、バックアップするはずの自家発電装置も稼働せず、電源車による通電も上手くいかなかった結果、炉心を冷却が充分ではなく、炉心溶融に近い最悪の事態を招いたというものだった。
 今回の事故で私たちは初めて知ったことだが、原子力発電には冷却が最も重要な役目を果たすとのことだ。この最重要の課題である冷却の代替が、自家発電と電源車の2通りしかないというのは、バックアップ体制としてはあまりにも脆弱でなかったか。この点が、今般の事故が人災といわれる所以だと考えられる。
 このような事故は、どのようなバックアップ体制を講じたとしても、一定以上の条件が重なれば、残念ながら起こり得ることは考え、それに対処する方法を講じておく必要は、私のような知識のない者でも思い付くごく初歩的なことである。
 にも拘らず、東京電力も、これを監督する原子力安全保安院(経済産業省)にも、事故に対するマニュアルすらなかったことは、その後の右往左往する場当たり的な行動からみても明らかである。
 これまで私は、資源なきわが国では原子力発電は非常に有効な発電システムで、他をもってしても代えるに代えられないものだと思ってきた、というより、そう思わされてきた。
 だが、考えてみたい。
 わが国に原子力発電に関する技術力はあると私は考える。
 だが、原子力発電所を保有する資格はあるだろうか。
 このような事故対応しかできないのであれば、自国はもとより他国へも多大な迷惑をかけることになり、原子力発電所を持つ資格があるとは言い難いと認めざるを得ない。
 一昨日の参議院における東北大震災の質疑で、こんな問答があった。
 質問者 「原発内の作業員が、今後、被曝することも考えられるので、そのときに備えて自分の脊髄(血液?)をあらかじめ採取して万ヶ一に備えることは考えないか」
 菅首相 「原子力安全委員会は必要でないというから、そのような考えはない」
 持ち時間の少ない質問者だったので、これ以上の質疑は深まらなかったが、これだけ聞いても、この国の特異性が表われていると思う。
 1.被曝するかもしれないという危険な場所で仕事に従事している人がいる。
 2.被曝すると有効な治療法がない。
 3.被爆後、自分の脊髄を移植すると一定の効果が認められる場合がある。
 このような状況の中、選ぶべき選択肢は、何もしないというものより、一縷の望みがあるのならば、これに賭けるというのが正解だろう。
 原子力安全委員会は、何故、必要ないというのだろうか。これまでのように原子力発電の安全神話の延長線上、すなわち、放射能被曝はあり得ないから治療策など考えなくてもよいというのなら話にならないが……。
 万ヶ一の万ヶ一の確率でも起こりえる可能性の悪い芽は摘み取っておくという態度が最も必要だと考える。これがなければ、原子力発電というような巨大なシステムを安全に機能させる資格はないものと考える。

東尋坊

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