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2011-11

無主物 - 2011.11.30 Wed

 朝日新聞の東京電力福島第一原子力発電所の事故を検証する『プロメテウスの罠』は、11月24日から第2章に入って『無主物の責任』というシリーズとなった。
 これは、原発に比較的近い場所にあって放射線に汚染されたゴルフ場が、8月に東電に汚染の除去を求めて仮処分を東京地方裁判所に申し立てたことが端緒としている。
 「事故後、ゴルフコースから高い放射線量が検出されるようになって営業に支障が出ている。責任者の東電が除染すべきである」とゴルフ場は主張した。
 これに対して東電は、「原発から飛び散った放射性物質は自社の所有物ではない。したがって、除染に責任をもたない」と抗弁した。
 東電は、「飛び散った放射性物質は、自社の所有物ではなく、所有者がない無主物であったと考えるのが実態に即している」と考えているらしい。そして、こうも述べている。「所有権を考えるにしても、既にその放射性物質はゴルフ場の土地と一体になっている。これは取りも直さず、自社が放射性物質を所有しているわけではない」と考えられる。
 ここでいう無主物とは法律用語で、『空中に漂う霧や、海で泳ぐ魚のように、誰のものでもない』という意味のようだ。
 東電は、恐ろしい考え方をする会社のようだ。
 放射性物質を発生させて、これを空中に撒き散らしたのは、これは東電であることに疑いの余地はない。しかし、ここからが私たち一般人の考えとは大きく違っている。
 飛び散った放射性物質の所有者は存在しない無主物であって、これが何処の土地に降り注いで汚染したとしても、それはその土地の所有者に帰属することになり、除染はその土地の所有者が行うべきだとの考えだ。
 東電のこの考えを知ると、今般の事故に対する責任感はまったくないように見受けられる。
 こんな会社が将来にわたって存続することが、わが国にとって有益であろうか。こんな会社に対して税金を投じて生き長らえさせ、加えて利用者は高い電気を買わなくてはならないのだろうか。
 また、この仮処分の申し立てに対する裁判所が10月31日に下した決定も驚くべきものだった。決定は、①放射性物質の除去は大掛かりな作業を必要とし、多額の費用を要することが想定され、②これはもはや放射性物質と土地の分離とはいえず、③このような作業を行うことのできる立場にあるのはゴルフ場だという東電の主張を受け入れて、ゴルフ場の訴えを退けるものだった。

トルコ海軍遭難慰霊碑

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