topimage

2011-05

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

諸悪の根源 - 2011.05.31 Tue

 東京電力福島第1原子力発電所の1号機の海水注入に関するトラブルで、また、新しい事実が発覚した。
 この経緯が朝日新聞に時系列で示されていた(5月27日付朝刊2面)ので、これを引用する。ちなみに、この問題は地震の翌日、3月12日に起こっている。
 14:50 清水社長が海水注入の実施を了解
 14:53 淡水注入を停止
 15:18 東電が保安院に「準備が整い次第、海水注入予定」と連絡
 15:36 水素爆発
 18:00 斑目原子力安全委員長が「再臨界の危険性がある」と意見
       (※5/22「再臨界の可能性がゼロでない」と訂正)
 18:05 国が東電に海水注入の準備を指示
 19:00 東電官邸詰めが「再臨界の可能性を官邸で検討」と本社に連絡
 19:04 海水注入を開始
 19:06 東電が保安院に海水注入開始を連絡
 19:25 東電官邸詰めから「首相の了解が得られていない」と連絡
 19:25 東電本社と原発現場と協議して注入停止を決定
       (実際には原発所長の判断で注入を継続)
 
19:40 保安院が海水注入について首相に説明
 19:55 首相が海水注入を指示
 20:05 経産相が海水注入を命令
 20:20 海水注入を実施
       (実際は注入を継続)
        (註)18時05分の国とあるのは保安院だと推定される。
 こうして起こったことを時系列に並べると、指揮命令系統が2つあることに気付く。すなわち、保安院と官邸である。
 本来なら、首相が経産相を指揮して、経産相が保安院を通じて命令するのだが、今般事件では官邸の意向を汲み取るように東電が関係者を官邸に派遣して官邸の顔色に配慮していたため、結果的に指揮権が2つに分かれたことに問題があるように思える。
 また、そのとき、官邸に居合わせた専門家といえる人は、斑目(まだらめ)原子力安全委員長と東電からの派遣された社員(役員クラス)がいたが、後者は発言できる立場にはないので委員長が唯一の専門家という立場だった。その他のメンバーは、首相、官房長官、同副長官など専門家以外の人だったようだ。
 この素人集団の疑問に対して、適格な答えを出すのは、当然のことながら唯一の専門家である原子力安全委員長のはずである。
 この唯一の専門家が誠にもって頼りなかった。
 「これまでは真水を入れて冷却を行ってきたのを、種々の不純物を含む海水に変えることによって引き起こる危険な事象、例えば『再臨界』が起こらないか」という極めて素朴な疑問に対して、委員長は答えられなかったことが、これ以後に起こるもろもろの騒動の端緒となった。
 要するに、この非常時には打つ手は限られている。その選択肢の1つを実行するに際して、それ(海水注入)に危険はないかと考えた菅首相は立派だったといえる。
 これに対して、「再臨界の可能性はゼロではない」と専門家から答えられれば、「危険がある」と理解するのが、普通の人の常識だ。「それなら、海水注入はちょっと待て」となるのが自然の成り行きというものだ。
 これが「ちょっと待て」とならなかったというのも、また、変な話である。
 もし、これが本当なら、「ちょっと、待て」といわなかった菅首相は非難されてもいたしかたない。
 何れにしても、この問題に関する諸悪の根源は斑目委員長ということになる。彼が学問上の見識を正確に伝えたならば、この後に起きた騒動はなかったのだ。
 こうしてみると、斑目委員長という人は、『学者馬鹿』を絵にかいたような人である。学者馬鹿というのは、学問以外のことには疎いという意味だが、この人の場合は学問に関しても疎かったので、始末が悪かった。
 この度、「この海水注入は中断されることなく続けられた」という判明した事実を伝えられた斑目委員長は、「私の頭の中はハテナマークで、むしろ私のほうが相当混乱しているというのが本当のところです。(中略)中断がなかったのなら、私は一体何だったのでしょうか」とコメントしたと伝えられた。私には、まるでマンガの中のやり取り、まったく意味のないコメントのように聞こえた。
 わが国の原子力学会の重鎮の発言にしてはいささか軽過ぎるのではないかと、聞いた私のほうが戸惑ったくらいだ。このような人たちが原子力事業を遂行するのであれば、わが国が原子力発電から手を引いたほうが、『世のため、人のため』ではないかと再認識した次第である。

2011_05_20 クマガイソウ 550x365
スポンサーサイト

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

アクセス数

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

登山 (147)
山野草 (417)
雑文 (139)
未分類 (14)
お知らせ (6)
案内 (2)
百名山 (22)
花旅 (75)
旅行 (29)
2014 北の大地花旅 (86)
2016・北海道 (83)
2016・北海道 (1)

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。