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2017-04

愛知県森林公園・植物園 - 2016.03.26 Sat

春の花が勢ぞろい!
 このところ、姫君は留守番続きであったので、何処かへお連れ申さねばと思う。候補地を考えていて、思い付いた場所が愛知県森林公園(植物園)であった。
3月23日。この日の天気は穏やかに晴れ上がった絶好のお出かけ日和であったこともあって、10時過ぎに自宅を出て、ここへ向かって車を走らせた。
 しかし、名古屋市を出外れた辺りから、私がクシャミを連発するようになり、これとともに鼻水が止まらなくなる。こうなると、身体もだるくなり、頭も何だか重い感じがしてくる。風邪の症状に似ている。
 私は掛かりつけ医からインフルエンザと肺炎の予防注射の接種を勧められたが断っている。ちなみは、姫君は述語ということもあり、大事をとって両方を受けている。
 このような事情があるので、『しまった』と反省してみるが、今となっては如何ともし難い。いずれにしても、風をこじらせてはいけないと考え、本日の森林公園は中止することにして、車をUターンさせて自宅に帰る。
 午後からは何もせずにテレビを視ていると、何時しか、クシャミも鼻水の症状も収まってしまっていて、たいしたことにはならなかった。
2016_03_24 シュンラン_0455
 翌24日。この日も前日同、良い天気であったが風があってか、前日よりは寒い。この条件であり、どうしようかとの迷いはあったが、取り敢えず、昨日の続きを実行することに決める。姫君にこのことを告げると、昨日の今日であることから心配するが、大丈夫だと押し切り、再び、森林公園に向かう。
 途中、コンビニのノボリ旗が激しく揺れ動くのを見て心配になるが、とにかく、現地に行ってからの相談だと思い、そのままに車を走らせた。
 森林公園・植物園の南口駐車場に着いたとき、風はそれほどではなく、いわゆる『そよ風』と行ったところで、ここまで来たことが正解であったと喜ぶ。それより、昨年、駐車場の周囲に植えられた桜の苗木に花が付き、折からの青空にいたく映え、一足早い春爛漫を演じていた。
 この植物園は、園内の中央部に展示館が建ち、西側が草花を中心とするゾーン、東側が樹木を主とする区域という大雑把な具合に分かれている。私たちは、何時も西側半分をグルッとまわることを常としている。
 南門入口で入場料200円を支払うと、『花マップ・3月』とこの時期だけに配られるカレンダーをくれる。
 見頃の花を尋ねると、花マップにしたがって、ハルリンドウ、ショウジョウバカマなどの咲く場所を教えてくれる。
 これを参考に、この地図を頼りに西側をグルッとひと回りし、花々を写真に収めて回った。
 その結果、草の花では、ウマノアシガタ、シュンラン、ショウジョウバカマ、ジロボウエンゴサク、スズカカンアオイ、ゼニバサイシン、ハルリンドウ、ヒメオドリコソウ、フタバアオイ、ムラサキゼニゴケなどなど。
 木の花では、アセビ、ウグイスカズラ、ハクモクレン、マンサク、レンギョウなどである。ちなみに、この他にもサンシュユなども撮ってはみたが、木の花は背が高く撮影が難しいこともあって総てが失敗という結果であった。
 こうして3時間余り、ジックリと春の花を堪能することができた。
 山の花も嬉しいが、こうした平地の花も労力を費やすことなく見ることができるので今の私たちにはうってつけになってきた。
2016_03_24 ハルリンドウ_0433

フクジュソウ - 2016.01.27 Wed

名城公園にフクジュソウが咲き始める
 このところ1週間ばかり、震え上がるような寒い日が続いた。
 この寒さで沖縄でも雪が降るという半世紀ぶりという珍事も報道されたが、私の住む名古屋では、寒いには違いなかったが、これほどの顕著なものではなかったので助かった。
 本日は、この寒さもひと区切りがつき、比較的、暖かい日になった。
 こうなると日課の散歩も、昨日までのように身体を思い切り縮めて少しでも早く帰られるように足早で歩くのではなく、ノンビリと歩き、寄り道することも考えるようになった。
 立ち寄り先は名城公園。目的はフクジュソウである。
 10日ほど前、1月16日にここを訪れたが、花はおろか芽も出してはいなかった。これ以後、寒い日が続いたので期待はしていなかったが、山では雪が解ければ日を置かず花を咲かせるので、『もしかして……』の淡い期待もあった。
 目的の場所に近付くと、「咲いているわよ」と、姫君が目ざとく黄色の花を見付ける。
 近寄ってみると、小さな蕾が数輪、その中に1輪だけだが、半開きになって中を覗かせているものもあった。この一帯、この小さな黄色がか弱な陽の光を受けて華やいだ輝きを帯びていて、ひと足先に春を迎えていた。
 私が山野草に興味を抱き、最初の頃に覚えた花の名前がフクジュソウであった。この花を最初に見たのは藤原岳だったように思うが、霊仙山だったかもしれない。
 後者であったとすれば、小さく雪の解けた丸い穴の中から黄色の花が顔を覗かせているという滅多にお目にかかることのないシチュエーションだった。最初からこんなビギナーズラックに恵まれたことになる。
 また、こんな思い出もあった。
 藤原岳から南へ伸びる孫太尾根を登ったときのことである。丸山へきたとき雪が降り始めた。ここに咲いていたフクジュソウの上にも雪が積もり始め、みるみるうちに花びらが凍ったようになってしまった。このような珍しい場面に遭遇して喜んで撮影していたのはよいが、帰り道が分からなくなってしまって帰るのに難儀したというオマケまでついた。
 このようにフクジュソウにはいろいろな思い出がある。
 もう1ヶ月も経てば、鈴鹿にもフクジュソウが咲き始めるだろうから忙しくなりそうだ。

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名城公園 - 2016.01.17 Sun

早春の草花が咲き始める!
 このところ寒い日が続いたが、これも昨日には少し緩んだようで、太陽の日差しを浴びると暖かく感じた。このような天気だったためか、『もしかして……』の予感がして何時もとは散歩のコースを変えて名城公園の中へ入って行った。
 真っ先に立ち寄ったのが、昨年、見付けたフクジュソウが咲く場所だった。しかし、如何に暖冬だとはいえ、この花には些か早かったようで、昨年の場所には芽すら出てはいなかった。
 次に訪れたのが、ロウバイの木の植わっている所だ。これに関しては数日前のテレビで『早くも咲きだした』とやっていたので、咲いていることは分かっていた。このため、咲いたのを見ても別に感動することはなかった。ここには1本だけだが、ロウバイの木が植わっている。この木には開花したものが半分、蕾状のものが半分といった状態で、まだ、1週間や10日は楽しめそうな塩梅であった。
 ここから何メートルも離れていない場所にあるマンサクは如何にと覗いてみたが、まだ、これには早いようで、固い蕾を付けているだけで、開花にはまだまだのようであった。
 何れにしても、まだ、小正月が過ぎたばかりの1月の半ばである。例年ならロウバイですら、まだ咲く時期ではないことを考えると、この花が見られたばかりで満足しなくてはと思いながら次へ足を運ぶ。
 あとは、オオイヌノフグリ、ハコベ、ホトケノザなどの野草であるが、フクジュソウや、マンサクの状態から推して、あまり期待は抱いていなかった。
 だが、探してもみものだ。
 ハコベこそ、見付からなかったがホトケノザやカラスノエンドウはボツボツと花を付けたものが散見され、オオイヌノフグリも1つだけであったが咲いているものに巡り合うことができた。
 このように昨年より早い開花に、今年は花の追っかけが早くなりそうだと、今から胸の高まりを感じていた。

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イチヨウラン - 2015.06.08 Mon

親切な夫婦に助けられる
 かねてから八ヶ岳行きを漠然とではあるが考えていた。
 ここへ行く目的は、ツクモグサとホテイラン。これらの他に、もう1つ、見てみたい花があった。それは、イチヨウランである。
 イチヨウランは、八ヶ岳行きの山行記の中で、出合ったという話がよく出てくるので、馴染みの花だといえるが、私は実物と対面したことがない。このため、ずっと以前から見てみたい花の代表的な存在であった。
 5日昼過ぎ、病院から帰ってテレビの天気予報を見ていると、6日と7日は晴れだが、その後は曇りとか雨の日が続くという冴えないものであった。これを見て、急に八ヶ岳行きを決める。
 姫君は留守番のため、私1人なので準備に時間はかからない。13時40分頃、自宅を出発する。
 何時ものように塩尻までは国道19号、それから先は国道20号で茅野まで走り、そこから一般道で美濃戸口まで行く予定であった。
 この日は国道19号の流れは悪く、イライラしながら走ることになり、塩尻まで4時間もかかってしまう。途中から雨も降り始める。これは天気予報でも分かっていたが、明日の未明には止むとのことなので、明日の行動には支障はないと気持ちを落ち着かせるが、国道20号では雨脚も強まってきて、嫌な気分になってくる。
 高速道路を使えば、諏訪南ICからは八ヶ岳ズームラインを一直線に走って八ヶ岳高原ラインに交わって簡単に八ヶ岳の主要登山口である美濃戸口に行くことができる。この道なら目を瞑っていても到着することが可能だが、塩尻から岡谷、諏訪、茅野を経由して行くとなると、突然、道不案内となるのでカーナビに任すことになる。彼女は、今までに一度も通ったことのない道を指示する。仕方なくこれに従うが、辺りは真っ暗、雨は勢いを増すという状況の中では、内心、別の場所へ案内されるのではないかという不安が渦巻き、彼女に案内させるのではなかったという後悔の念が次第に強くなっていく。こんな折、「700m先を左手前に曲がる」というカーナビの指示がある。残りの距離からも美濃戸口の直前ということも分かり、この曲がり角の位置も頭の中で描いた地図で確認、『やっと着いた』と、それまでの不安感から解放された。結果的には八ヶ岳高原ラインを逆、北のほうから走ってきたことが分かった。
 美濃戸口の八ヶ岳山荘前の駐車場に車を乗り入れたとき、19時30分であった。名古屋から6時間弱も要したことになり、改めて名古屋からここまでの距離の長さを再認識することになった。
 このとき、雨は盛んにフロントガラスを打ちつけており、運転席から寝室代わりの後部荷物室へ移動するのを躊躇うほどであった。
 先ほど、塩尻で夕食を済ませてきたので、今夜はここで寝るだけである。
 とはいえ、ここは寒い。塩尻で見た道路脇の温度計の気温は11℃を示していた。ここは更に下がっていることが推定されるので、10℃を下回っていることは確実だ。夏用の薄手のスポーツシャツで充分だと思っていたが、これだけでは寒そうに思えてくるのでフリースの上着を重ね着する。本日は単身ということもあって掛け布団が余っている。これも引っ張り出して2枚重ねにする。このように今までにない厚着をして寝るが、朝まで暑くて目を覚ますということはなかった。それより、小用の要求で目覚めるのには閉口した。車外の雨は衰えを知らず、車の脇で用を足すことができるのにかかわらず、その都度、傘を差しても身体が濡れてしまうからだ。
オキナグサ
 5月6日(土)。
 4時30分、目覚める。
 自分のいる場所が分かって真っ先に窓の外を見た。
 天気予報では「夜のうちに雨は上がる」であったので、青空を考えていたが、現実は違っていた。まだ、小雨が降り続いていた。この想定外のことに戸惑いを隠せなかった。本日の主役、ツクモグサは天気に敏感な花であるので、何はさておき、太陽が顔を出さなくては話にならない。雨はもとより、曇っていて太陽が顔を覗かせないときには、この花は花びらを満足に開かない。
 このため、苦労して稜線まで登り上がったとしても曇りでは花には期待できないため、本日の硫黄岳行きはあっさりと諦めることにする。
 となれば、ここにいても仕方がない。何処へ行くという具体策はないが、取り敢えず、ここから最も近い『道の駅・こぶちざわ』へ向かう。ここでユックリと朝食を摂って、本日の行動を改めて考えることにする。
 30分くらいで目的の道の駅に着く。
 ここは小さな道の駅だが、隣には温泉施設もあるので使い勝手もよく、これまでに何回も訪れている。駐車場には10台以上の車が停まっていた。時間から推し、これらは昨夜からの泊まりの車だと考えられ、車旅の季節になったことが窺える光景でもあった。
 朝食を摂っていると、車の中が明るくなってきた。外を見ると、雨は上がり、上空の雲の切れ目から陽の光が差し込んでいるのが分かった。これを見て、一瞬、『登ればよかった』と思ったが、再度、空を見上げると雲が取れて青空が顔を覗かせているのはごく一部に過ぎず、全天の9割以上が黒い雲に覆われており、その雲の色から『何時降り出すか分からない』という状態で、ここでも改めて、本日の決定が正解であったことを納得していた。
 『さて、本日は何をして過ごそうか』と、いろいろ思案していた。本日、八ヶ岳行きを中止することは想定外のことで、代替案などまるっきり考えていないし、それを補う資料の持ち合わせもない。道の駅が開けば、何かの資料もあるかも知れないが、それまでに3時間近くも待たなくてはならない。
 こんなことを考えていて、フッと浮かんだことがある。 『オキナグサを見てみたい』ということだった。
 オキナグサはツクモグサの親戚のような花だが、この花期は終わっている。だが、この花には花後がある。名前の由来となった翁の髭のような白い髭状のものに花が変わるとの由である。でも、これはこれまでに一度も見たことがない。花期が終わってからいくらも経っていない今なら、これが見られるかもしれないということが閃いたからだ。
 これは良い案だと自画自賛してみるが、その場所を具体的に思い出さない。地図でも持っていればいいのだが、持っている地図は『道の駅 全国地図』だけなので、この辺りの詳細は分からない。権現岳の麓であるなど、思い付くままの条件を総合して勘案していき、『この辺りだ』という地点を探り当てた。取り敢えず、ここにカーナビを合わせて車を走らせた。
 結果は、カーナビの案内が終了してからだいぶ先ではあったが、この道筋であることに間違いはなく、無事に目的の駐車場に到着することができた。
 前回、オキナグサの自生地に訪れたときには、探しに探したが、今回は2回目ということもあって咲いている場所は分かっているので、こんな苦労はすることもなく、そこへ直行する。
 そして驚いたことに、前回より多くのオキナグサが咲いていた。もちろん、咲いているとはいっても花自体は既に終わり、花びらは遠の昔に散っていた。だが、名前の由来となった白髭だったか、白髪だったかは、生え始めたところであった。このため、イメージしていたものよりは、チングルマの花穂を立派にしたようなものという感じではあったが……。
 ここに着いたときには、南アルプスや秩父の山々がクッキリと姿を見せていたが、何はともあれオキナグサだと思って撮影に没頭する。これにひと区切りが付き、風景も撮っておこうかと、その方向に目を転じると、たいした時間は経過してはいないのにかかわらず、これらの山々はガスの中に姿を没していた。これを見て、また八ヶ岳のことを思い出し、八ヶ岳の天気も本日はアテに出来ず、諦めて正解だったと判断の正しさに満足していた。
 八ヶ岳も稜線には登らなかったのでオキナグサは諦めることになったが、麓に咲くホテイランは天気がどうであれ、折角、ここまで来たからには見ておくことにしていたので、再び、美濃戸口へ引き返すことになる。
 八ヶ岳山荘前の駐車場に到着すると、早朝よりは車もだいぶ増えていた。ここの駐車場は上、中、下段の3面の駐車場があり、各々、50台くらいは停められそうである。そのうち、下段のそれは閉鎖してあったが、上段と中段が車を受け入れていた。このとき、上段はほぼ満車状態で、中段へ1、2台が入り始めたときだった。ちなみに、本日と明日は土日の休日ということに加え、明日が八ヶ岳の開山式ということもあって入山者が多いようだ。
 このとき、「最奥の美濃戸まで入れ」という声が耳の奥から聞こえてきた。ここまで車を入れれば、1時間くらいの歩きが省略できるので身体には優しいことになる。これを知っているので、私の弱いほうの心がこのように言わしめているのだが、ここの凸凹道を私の車で走るのはこれはこれで大変である。また、ここ美濃戸口で停めれば駐車場は500円(1日)だが、美濃戸では1000円(1日)になる。こんなことが頭の中を駆け巡り、どうしようかと迷ったが、貧乏人の性(さが)が勝ったようで、ここの駐車場に乗り入れていた。
ホテイラン
 身支度を整えて歩き始める。
 歩いてみて、車で来なくてよかったとしみじみと思った。歩く私を追い抜いていく乗用車の屋根が大きく左右に揺れているからだ。乗用車でもこのように揺れる。私のハイエースならば、揺れはこれ以上だろう。運転手の私はハンドルにしがみついていれば、この揺れにも耐えられようが、問題は後部室に設えてある家具類の受けるダメージが問題なのだ。
 こうして、この道を歩いていると何時も思い出すことがある。
 今から10年以上も前の正月山行のことだ。硫黄岳から降りて車に乗り込み、名古屋へ向かって帰り始めた。この時期であるので道には積雪があって舗装道路を走っているようなもので凸凹の問題はない。問題は、ブレーキを踏むたびに車は横に滑って運転操作が不能に陥ったことだ。こんな経験はないだけに必死になって運転を立て直そうとしてようやく見付けた方法が、フットブレーキの代わりにハンドブレーキを使うという方法であった。それでも、何時、谷側に落ちるかもしれないので、最後には姫君に車から降りてもらう始末であった。原因は、当時の車が4WCのレガシー(スバル)に2輪のみにチェーンを装着していたことだったらしい。
 この当時のことを思い出しながら歩いていく。美濃戸口から美濃戸までは、緩やかではあるがずっと登り勾配である。緩やかといえど、今の私には負担になる。早々とダウンジャケットを脱ぐが、次にスポーツシャツが汗ばんでくるのが分かるが、これを脱ぐと半袖のTシャツ1枚になるので、脱ぐに脱げないでいた。美濃戸に着いてスポーツシャツを脱ぐと、シットリと湿り上がっていた。再び、これを着る気にはならなかったが、Tシャツだけでは寒い。仕方がないのでTシャツの上にダウンジャケットを羽織るとちょうど良く、以後、このスタイルでの行動となる。
 ここへ来た目的はホテイランであるが、これの咲く場所は分かっているので、これについては如何に失敗せずに撮影するかであり、これについては何の問題もない。実は、これ以外に秘かに狙っているものがあった。
 それはイチヨウランである。この花は何もここだけに咲くというホテイランとは違って、いろいろな場所で見付けたという報告があるのだが、私としては残念ながらこれまでに1度も見たことがない。このため、目を皿のようにして歩いていくが、そんなに簡単に見付かるものではなかった。
 こんな折、降ってきた女性の2人連れに出会った。彼女らに訊くと、「イチヨウランは見たには見たが、崖下に向こう側に向いて花が開いていたものだった」とのこと。まだ、この花を見たことのない私としては、正面からみようなどとの注文は付けない。どんな形でも見られればよい。
 これ以後、崖側に視線を集中しながら歩くことになるが、見付け出すことはかなわなかった。でも、ホテイランだけは予定どおりカメラに収めて失意のうちに引き返すことになる。
 すると、私の前をノンビリと歩いていく夫婦連れが目に付き、間もなく、肩を並べることになる。私より少し年長かと思われるコンビだった。挨拶かたがたイチヨウランについて尋ねると、「見た」とのことだった。それも、ここからそんなに離れていない場所だという。詳しく目標となるものなど聞いて戻ろうとすると、「私が案内しましょう」と親切に申し出てくれる。思ってもみない提言に戸惑いつつも大喜びして案内してもらうことになった。
 とある場所までくると、「ここです」と指で教えてくれる。その指の先を辿って視線を送るが、暫くは、それが何処にあるか分からなかった。指の先を1点に絞り込んで注意深く視線を集中させて、やっと分かった。そして、「これは私だけでは見付けられません」と正直に感想を述べた。写真に撮ると、背景がボケるので比較的にハッキリと分かるが、肉眼で見ると背景の細かい部分もシッカリと見えるので、写真よりも寧ろ見辛いのだ。
 教えてくれた夫婦の後ろ姿に深く頭を垂れて見送ってから、撮影に取り掛かる。花の部分のみをマクロレンズで接写するのはピントがやや合わせ難いきらいはあるが、それほど問題は起こらなかった。初見の花だけに、名前(一葉蘭=1枚葉のラン)の由来となった葉っぱを含めた全体像を撮ろうとすると問題が起こった。カメラが何を写してよいか分からないようで、ピンボケのままシャッターが下りてしまうのだ。ピントを手合わせしようにも、ズームレンズを付けているので簡単にはいかない。仕方なく、そのうちにピントが合うだろうと思って、何枚も何枚もシャッターを押し続けた結果、本体を何とか捉えることができた。
 それにしても先ほどの親切な夫婦には感謝、感謝であった。
 これが鈴鹿で、このようなことが起こっていたらどうなっていただろうか。多分、「花は自分で見付けろ」とか、「教えると盗掘の原因になるからいえない」とか言って、教えてはもらえなかっただろう。こういう環境で育った私も意地が悪いというか、料簡が狭いというか、具体的に花の咲いている場所を記すことを躊躇うような習性が身についてしまっている。もっと大らかになり、喜びを共有できるようにならなくてはと思いつつ、改めてこの神様のような夫婦に感謝していた。
 このような経緯で、ツクモグサはゲットすることはできなかったが、最も見てみたいと思っていたイチヨウランを始め、ホテイラン、オキナグサを見ることができ、充分に満足できる今回の遠征であった。ちなみに、この日は時間の経過するに伴い天気は快方傾向に推移するが、稜線では晴れた形跡は感じ取れず、また、稜線は強風の予報が出ていたことを併せ考えるに、満足のいくツクモグサに出合うことはなかっただろうと思っている。このため、最小の労力で最大の効果を上げた1日といっても過言ではなく、満足感に包まれて帰路に着いた。
 復路も往路をそのままトレースしての帰りとなったが、道路事情はよくて順調に走ることができ、14時30分に美濃戸口を出て、19時30分に自宅に帰り着くことができ、道路も本日の成果を祝ってくれた感じだった。
イチヨウラン

バイカオウレン - 2015.04.29 Wed

やっと出合えたものの……
 4月24日、早朝散歩を終えて朝食を摂っていると窓の外がやけに眩しく感じた。昨日とはうって変わり、文句なしの快晴であった。
 こうなると昨日の青空のない冴えない天気が恨めしく感じるとともに、収穫のなかったことが返すがえすも残念に思え、何だかソワソワと落ち着かない気持ちになってきた。そして出した結論が、長石谷の再訪であった。
 姫君の御許しを得て、8時過ぎに自宅を出発する。
 何時もより遅い出だしだけに途中の道路渋滞を心配したが、これは思ったほどではなくて2時間ほどで新しく造られた御在所パーキングに到着した。
 しかし、ここで思いがけない事態が待ち受けていた。駐車場が満杯状態で、私の車を停める余地がなかったことだ。隣の温泉街へ通じるほうの駐車場には多くの空きスペースがあり、出来れば移りたいところであったが、生憎、両者は完全に切り離されていてフェンスを飛び越えないことにはかなわない夢であった。
 仕方なく、御在所山の家のほうへ駐車スペースを探しながらいってみる。すると、ここの前に設けられている10台余は駐車可能のスペースはまるまる空いていた。ただし、山の家が増築工事を行っているためか、半分は工事用車両のために地取りがしてあって登山者の車両は停めることはできなくなっていた。
 ここに停めるのであれば、長石谷行きは諦めて一ノ谷新道を歩くことにする。
 一ノ谷新道は御在所岳へ登る登山道の1つで、ここにはイワウチワはないがバイカオウレンなら咲く。また、少し足を伸ばせばハルリンドウにも合える可能性がある。これが分かっているので、行き先変更は刹那的に決まった。
 10時過ぎ、登山口を出発する。
 バイカオウレンの咲く場所にやってきた。いつもなら、この場所に来れば探す必要はないほど、自然に目に白い花が飛び込んでくるのだが、目の前にはそんなものはない。一瞬、『場所が違っているのか?』と辺りを見回して、何時もの雰囲気との違いを確認、間違いのないことを確かめていた。
 ここで場所は間違いないことが分かって、今度は地面に目を近付けて舐めるように視線を走らせていく。すると、白いものが見付かった。『あった』と安堵して、それに焦点を合わせると、バイカオウレンには違いなかったが、花びらの一部が欠落、そう、散り始めていたものだった。
 時期的には咲いていてもおかしくないのだが、昨日の馬ノ背尾根といい、本日のここ一ノ谷新道といい、花期は終わってしまっている。ということは、今年は暖かくて早く咲いたのかと思ってもみるが、これにはシックリとこない。その他の原因があるだろうかと、いろいろと原因に考えを巡らせていて、1つのことに思いが至った。それは、今年の4月は異常に雨が多かったということだ。これだけ雨が多いと、咲いた花も雨に叩かれて弱ってしまって早く寿命を終わらせたのではなかろうかという仮説だ。
 いずれにしても、バイカオウレンは諦めなければならない。
 ここで帰ることも考えたが、これでは2日続きで手ぶらでの御帰還となる。留守番の姫君のためにも、手ぶらだけは何とか避けなければならない。
 そこで、もう少し足を伸ばしてハルリンドウに期待を繋ぐことにする。
 こうして、再び、歩き始めて鷹見岩の手前の日当たりの良い場所にやってきた。この辺りでハルリンドウを見ることが多いので、注意深く左右に視線を走らせて歩いていると、願いはかなって1つが見付かった。
 これで目的は達成したので帰ってもよいのだが、折角、ここまで来たので本日は頂上まで行ってみることにした。
 12時20分、頂上広場のアデリア(飲食店)前に到着した。
 途中、20分くらいは撮影に費やしているので、実質2時間内外で到着したことになる。このコースは御在所岳に最短時間で登れ、私たちの最短記録は1時間20分くらいだったように記憶している。これに比べると、30、40分遅れだが、体力の衰えを勘案すれば、寧ろ、健闘した部類だろう。
 以前、頂上の一角にハルリンドウ(タテヤマリンドウだという人もいる)の群生地があったので、1212mの頂上に立ち寄った後で、ここへも足を伸ばしてみる。しかし、絶えてしまったのか、時期が早かったのかは分からないが、お目にかかることはなかった。
 この後、ミズバショウ公園へも行ってみたが、これには些か早かった。こんな具合で、何もないミズバショウ公園ではあったが、ザゼンソウだけは旬を迎えており、私にとってはミズバショウ以上に嬉しい収穫だった。
 13時30分、下山に取り掛かる。
 ルートは往路と同様に一ノ谷新道。当初は中道で降りるつもりであったが、花は何もないという登山者の話を聞いて、これを選んだ。
 結果的には、これが功を奏した。途中でバイカオウレンが見付かったからだ。
 2輪だけで、形もそれほど良いという訳ではなかったが、手ぶらで帰ることを思えばありがたいことであった。
 このルートは勾配がきついのに加えて根っこの階段状の部分が多い。脚力の衰えている私にとっては足だけで降りられず、必ず手の支えが必要なので降りといえどてこずる。お陰で登りと同様、2時間内外を要することとなってしまい、15時30分頃、足をガクガクさせながら登山口へ帰り着いた。でも、そこそこの収穫があったので、足を除けば身体の疲れはあまり感じなかった。

バイカオウレン

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